仲程昌徳著『 沖縄文学の100年 』紹介

 今朝の新聞は、昨日(24日)行われた「辺野古埋め立ての賛否を問う県民投票」の開票結果が、有効投票総数の7割を超える約43万4000人が「反対」の意思を示したと報じている。

 

仲程昌徳著『 沖縄文学の100年 』
 直木賞を受賞した真藤順丈の『宝島』を、僕は年末年始に読んだのだが、それ以降、沖縄を舞台とした小説をもう少し読んでみたいと思って、先日は、桐野夏生の『メタボラ』をブックオフで見つけて読んだ。
 今回、沖縄の出版社ボーダーインクから『沖縄文学の100年』という書籍が出ているのを知って、早速、取り寄せて読んでみた。

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 本書は、1910年代~2000年代の沖縄の文学が、沖縄を取り巻く時代の流れの中で、どの様に生まれ、作者は何をテーマに、執筆の根底に据えたのは何か、それをどう描いたのか、仲程昌徳氏がコンパクトに分かり易く紹介している。
 「琉球王国」が解体し、沖縄県となった「ヤマト世」、敗戦後の米軍統治下の「アメリカ世」と、支配体制が変わるなかで生まれた沖縄の文学の数々。
 僕たち日本本土の者には計り知れない、歴史に翻弄されながらの苦悩と差別と偏見の中でも、沖縄の人々が力強く生き続けた証としての文学が、数多くあることを知った。
 芥川賞を受賞した大城立裕の『カクテル・パーティー』や、又吉栄善の『豚の報い』、目取真俊の『水滴』なども、時間を見つけて読んでみたいと思った。