『 虫展 』に行く

 現在、六本木の「21_21 DESIGN SIGHTギャラリー」で開催されている企画展『虫展 ─デザインのお手本─』に行った。

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 この展覧会は、ディレクターにグラフィックデザイナーの佐藤 卓氏、企画監修には虫好きとしても有名な解剖学者の養老孟司氏である。
 この展覧会を観ると、昆虫の神秘的とも言える生態や姿形に驚かされる。そんな意味から、なかなか珍しい、新鮮で、興味湧く展覧会だった。

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 会場入り口ホールで、先ず、迎えてくれたのがモンシロクモゾウムシの巨大な足の模型。

 「ごあいさつ」パネルには、開催趣旨が、このように記されていた。
「自然を映し出す存在である、虫。私たちの身近にいながら、実はそのほとんどの生態はわかっていません。虫の色、質感、構造、また習性には、私たちの想像をはるかに超える未知の世界が広がっています。人類よりもずっと長い歴史のなかで進化を続けてきた多様な虫の姿からは、さまざまな創造の可能性が浮かび上がってきます。本展覧会は、知れば知るほど不思議な虫たちを『デザインのお手本』にする試みです。」

 

 昆虫の歴史は、人類の歴史など競べようもない程、昔々から・・・。

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 「ごあいさつ」パネル展示の向かい側には、昆虫の標本があり、これは素晴らしい標本展示で見とれてしまった。

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 会場内では、映像を使ったり、微細な昆虫も分かり易く展示していたり・・・。

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 虫からヒントを得て、道具が生まれた展示もあって・・・。

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 入り口の文章の中に「飛行機も鳥の姿からデザインされた」とあったが、確かに身近な道具にも、自然界の生き物からデザインのヒントを得ているものが多い。

 

 虫偏を使っている漢字が、なんと340字も展示してあった。

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 所々に、こんな展示もあって面白い。

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 養老語録も展示してあった。

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     ○発見とは、じつは
      「それを知らなかった自分」が
      「それを知った自分」に変わることである。

 

     ○自分の考えなんて たいしたものじゃない。
      虫を採っていれば、それもよくわかる。

 

     ○拡大なんかしなくたって、
      自然はわからないことだらけ。
      わからないものを百倍にして見たら、
      わからないことも百倍になってしまう。

 

     ○感覚的な「美しさ」と言う点では、
         やはり虫は面白いです。
         あれは「美しさ」なのでしょうか。

 

     ○「自分探し」などと言いますが、
      「本当の自分」を見つけるのは、
      実に簡単です。今そこにいるのです。 

 

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 昆虫好きの人にはもちろんお薦めだが、昆虫に関心など持ったこともない人でも、この展覧会を観たら、自然界に昆虫が存在することの重要性、不思議さに、改めて認識でき興味が湧くだろう。