今日から5月がスタートした。
朝から雨、気温も昨日までとは違って、シャツだけでは肌寒い。
◇会の機関誌「けんさん」発送
4月の半ばから編集していた会の機関誌「けんさん」が、印刷屋さんから一昨日届いたので、今日はみんなに声かけして、全国の会員宅へ発送作業をする。
「5月連休中だから、みんな集まってくれるかなあ~」とちょっと心配していたが、なんとなんと11人も案内所に来てくれた。
発送作業が終わってから、今回の「けんさん」をみんなで読んで、感想を出し合う。
◇高井戸潤の『俺たちの箱根駅伝』を読む
5月の連休中だし、特に出掛けることもないので、気楽に、楽しく、軽く、それでいて感動も得ることができる小説はないかなあ~と思っていたら、新聞書籍広告でこの小説を見つけた。
箱根駅伝は、毎年、楽しみにして観戦している。
コロナ禍前は、小田原中継所まで出掛けて、あの熱気に触れて堪能するのが恒例にさえなっていた。
作者も高井戸潤なら裏切ることはないだろうと読み始めたら、一気にハマって、結局(上)(下)を一週間で読了。
箱根駅伝に対する各大学、監督の思惑、選手達にとっての箱根駅伝とは何か。
そして、東京-箱根間の駅伝コースが、その場所場所の特徴が描かれ、それがランナー心理と競技にどの様な影響を及ばすのか、ただTV観戦だけでは分からないことが細かく描かれ、それはそれは新鮮だった。
ストリーも主人公の大学が予選通過できず本選出場落選で、学生連合として参加するという内容。
学生連合なので、順位もタイムも記録に残らず、それでも、学生連合に各大学から集まった選手達は、箱根駅伝に理想と夢を持った新しい監督の高い目標に、初めは疑心暗鬼であったが、その目標を共感、共有して箱根駅伝本選に挑戦する。
結果的にそれは、そこに関係したそれぞれの学生達の箱根駅伝となって結実するという、斬新でかつ感動的な物語の展開。
さらにこの物語のもうひとつの展開は、箱根駅伝中継を担う大手テレビ・スポーツ局の物語でもあることだ。
いかに、純粋なスポーツ番組として視聴者に伝えるか、いかに、青春をそこに賭ける学生達の姿を映し出すか、箱根駅伝中継が始まってから、現在まで綿々と続いているスポーツ放送の神髄、テレビマンとしての矜持、それらが実によく、感動的に描かれている。
このようにして、正月の箱根駅伝番組が作られ、僕たちに届いているのかと、それにも感動する構成になっている。
さすが、高井戸潤だと脱帽し、読後の幸せに浸っている。