月1回、Zoomを使っての読書会を試みている。
取り上げている書籍は、今話題の「新書大賞2021」第1位となっている斉藤幸平著『人新世の「資本論」』(集英社新書)だ。
土曜日の夜8時からの開催で、全国から10名前後が参加し、前回からは女性も2名参加している。
昨夜の3回目の Zoom読書会は、女性2名を含めて9名の参加だった。
今回は、出し合う意見のテーマを絞ってやろうとなって、著者の斎藤幸平氏の資本主義についての論が色濃く書かれている本書の第6章について、感想と意見を出し合った。
第6章は『欠乏の資本主義、潤沢なコミュニズム』と題された章で、
・欠乏を生んでいるのは資本主義
・「根源的蓄積」が人工的希少性を増大させる
・「価値」と「使用価値」の対立
・ブランド化と広告が生む相対的希少性
・〈コモン〉を取り戻すのがコミュニズム
などなどを論じているのだが、「この点は共感する、気付かされた」いや「この点は斉藤氏の論に違和感を感じる」と、それぞれが感想を出し合った。
感想や意見の広範囲な内容を詳細に記載することは出来ないが、特に斎藤氏が述べている「労働観」について、その見方に賛否両論の感想が出され、それに誘発され、それぞれが自分の労働観について活発に意見が出された。
企業人、自営人、主婦、学生、さらに企業人でも研究職、営業職など、分野によってそれぞれが「労働観」に対する認識が異なることが浮き彫りになった意見交換だった。
「そうか、そういう感じ方もあるのか」と、自分一人では気付かないものがあり、なかなか有意義な読書会となった。
終了予定の9時半をオーバーして10時近く終了。
次回は、1ヵ月後、第7章を主に取り上げる予定。