オンラインで、斉藤幸平の『人新世の資本論』の読書会をやって、感想を共有しようと7月から始まった「ZOOM読書会」。
『人新世の資本論』の後は、ミヒャエル・エンデの『モモ』や、水野和夫の『資本主義の終焉と歴史の危機』を話題にして交流した。
今回は、特に書籍を決めないで、今年読んだ本、いま読んでいる本、印象に残っている本、推薦したい本、などなどの読書情報を、お互いに出し合って交流しようとなった。
昨夜、オンライン「ZOOM読書会」に集まったのは11人。
それぞれが、推薦する書籍は実に広範囲だった。
こんな交流をしなければ、読むことも、ましてや本の存在も知らなかったと思う書籍が数多く登場し、新鮮な刺激的読書会だった。
ZOOM読書会の最後に「れぞれが取り上げていた書籍を、読書会グループラインに再投稿しよう」となって、いま、続々とラインに流れている。
◇東京都在住のナカハラさんからは
『実力も運のうち 能力主義は正義か?』マイケル・サンデル著、早川書房。
いろいろ考えさせられました。
◇滋賀県在住のフジイさんからは
一冊目は、『向田邦子ベストエッセイ』筑摩書房の文庫。
戦前、戦中の家族の隠れた葛藤とか、世間との距離の取り方とか、鋭くてドキッとしました。
二冊目は、スティーブン ホーキングの『ビッグクエスチョン』。
アインシュタイン以来の天才の遺言書です。ALSにかかっていたので、科学に楽観ばかりで関わっていないので信用できます。究極の知性の予言です。
◇東京都在住のオオタさんからは
生き方の焦点がボヤケてくる度に手にする本として
①福永光司著『荘司』古代中国の実存主義 (中公新書)。
②丸山健二の『千日の瑠璃(上)(下)』『争いの樹の下で』。
壮大なストーリーもさることながら、その無駄のない、筋肉質な文体から、強く伝わってくるものがあります。自分の人生の輪郭がボヤけてくるたびに、私はこの作家の作品を手にしています。
◇佐賀県のカトウさんからは
『夏への扉』ロバート・A・ハインライン著 (ハヤカワ文庫SF)
戦後第1回の経済白書執筆の都留重人氏から数えて「もはや戦後ではない」1956年(昭和31年)の白書の年にアメリカで発表されたSF小説。
メリメ「エトルリヤの壷(岩波文庫)」内の『マテオ・ファルコーネ』。
◇学生のジュニアカトウが推薦するのは
『経済学は人びとを幸福にできるか』宇沢弘文著(東洋経済新報社)。
宇沢先生は、コモンという概念を「社会的共通資本」と再定義し、資本主義制度の中での持続可能性という研究をされていました。斎藤幸平さんとは違う観点、手段で持続可能性について論じており、めちゃくちゃ勉強になりました。
◇三重県のササガワさんからは
『春の数えかた』日高敏隆著。
動物行動学者のエッセイです。心温まる様な感じと、自然界の中の人間(私)の位置を考える機会にもなります。
どれも興味湧く書籍だ。どれから読んでみようかと迷ってしまう。
僕も、小川洋子さんの『ことり』と、2021年の年間ベストセラーになっていた宇佐見りん著『推し、燃ゆ』と、町田そのこ著『52ヘルツのクジラたち』の感想をブログに書いたURLを投稿紹介した。
きっと、これからも続々と推薦したい書籍が投稿されるだろう。