読書日記のおしゃべり

桐野夏生著『 バラカ 』を読む

 書店に平積みされていて気になっていたのが、桐野夏生さんの文庫『バラカ』だ。
 読書好きの友人が、「俺、読み終わったから、読む?」と貸してくれた。
 冒頭の「プロローグ」をめくってみたら、物語の背景が東日本大震災の物語のようだ。 それに興味が湧いて読んだ。

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 やっぱり、桐野夏生さんの作品は、重い。
 しかし、読み出したら引き込まれてしまう。
 内容は、東日本大震災のために福島第一原子力発電所原発4基がすべて爆発したために、避難区域は東京も含めた東日本全域に及んでいるという舞台設定。
 群馬県の高濃度の警戒地域で発見された一人の「バラカ」という少女が主人公だ。
 この少女は、ドバイの人身売買組織から買われてきた少女。
 彼女を取り巻く原発被災者や外国人労働者を通して、彼らへの差別、原発推進派の陰謀などが、人間の欲望や歪んだ愛を、醜く、そして鋭く、これでもか、これでもかと展開され、描かれている物語だった。

 

北方謙三著『 チンギス紀(四) 遠雷 』を読み始める
 この北方謙三さんの『 チンギス紀 』シリーズも、第4巻が発売された。
 前の3巻も読んでいるので、この4巻も読み始めた。

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 ユーラシア大陸に拡がる人類史上最大の帝国を築いたチンギス・カン
 彼の波乱に満ちたその生涯を描くという北方謙三さんならではの挑戦作品だ。
 こちらも、毎巻、読み出したら止められないストーリーの展開だ。