新型コロナウイルスが感染拡大している今、いろいろなところに影響が出ている。
最近のテレビ番組もその一つだろう。
野球が開幕されていないので放送もないし、ドラマ制作や番組制作ロケにも影響が出ているようで、これと言って観たいと思う番組が少ない。
不要不急の外出規制、出来るのは散歩くらいだ。散歩は夜には出来ない。
残るは、読書しかない。
◇北方謙三著『 チンギス紀(七)虎落 』読み終わる
ユーラシア大陸に拡がる人類史上最大の帝国を築いたチンギス・ハーンの生涯を描く北方謙三さんの「 チンギス紀 」シリーズの第七巻『 チンギス紀(七)虎落 』を読み終わった。
この第七巻は、モンゴル族の一氏族・キャット氏の長だったテムジン(後のチンギス・ハーン)が、同じモンゴル族のジャンダラン氏とタイチウト氏とメルキト族の連合軍に勝利し、モンゴル族全体の長となり、いよいよユーラシア大陸という草原の覇者へ近づく一大決戦の内容だった。
何千、何万という騎馬集団の戦いを、広大な草原の中で縦横無尽に疾走させる北方謙三ワールドに引き込まれながら、楽しく読み終わった。
◇帚木蓬生著『 守教 』を読みだす
僕は帚木蓬生さんの作品は、過去に新田次郎文学賞を受賞した『 水神 』と、『 天に星 地に花 』を読んだことがある。
『 水神 』は、江戸初期に筑後川沿岸を、豊かな耕作地にした灌漑工事の物語だったし、『 天に星 地に花 』は、江戸中期の筑後国(福岡県)久留米藩内の、圧政に苦しむ百姓たちが起こした2つの一揆と、百姓たちの生活や季節季節の行事を丹念に描きながら、民百姓に心を寄せて「赤ひげ」的医療を施し続ける医師を主人公にした作品である。
両作品とも、史実にもとづいた作品で非常に感動した歴史小説だった。
そんなことで、今回選んだのは文庫『 守教 』。
この作品は、隠れキリシタンの物語だ。
書籍紹介には、
── 戦国期の伝来から、弾圧を経て、江戸時代の終わりまで。九州のその村に、隠れつづけたキリシタンたち。殉教する者、転ぶ者、密告する者。史実をもとに、命を賭けて信じ続けた村人たちの姿を、過酷な状況を、残酷な処刑を、心の迷いを、温かい視線で描ききった落涙必至の歴史小説。あなたの知らなかった真実が、ここにはある! ──
と、書かれている。
(上)(下)とある長編歴史小説だ。