高田郁著『あきない世傳 金と銀』を読む

 今日の日曜日も、昨日に続いてファーム町田店スタッフをする。
 今日も、お店の入口での「八朔の袋詰め放題」をナカガキさんと担当。
       
       
 風が冷たく、足腰が冷える日だったが、お客さんとのやり取りを楽しみながらの一日だった。


◇高田郁著『あきない世傳 金と銀』の「源流篇」「早瀬篇」「奔流篇」を読む
 読書好きの友人と、居酒屋で読書談義になった時に、「高田郁の『あきない世傳』は面白い」と絶賛していた。
 僕が高田郁の小説を読んだのは、以前に『あい 永遠に在り』だけだ。
 それは、幕末から明治に生きた実在の医者・関寛斎と、その妻あいの生き様や、夫婦愛を描いた作品で、感動したことを思い出した。
 『あきない世傳 金と銀』は、すでに3冊が出ている。
 読むなら、「源流篇」から読んでみようと読みだしたのだが、結局、「早瀬篇」「奔流篇」と一気に読んでしまった。
        
 主人公の幸。
 学者の子として生まれるが、兄や父の死別があり、9歳で大坂の呉服商「五鈴屋」に奉公に出される。
 商家では「一生、鍋の底を磨いて過ごす」と言われる女衆だが、番頭に才を認められ、幸自身も徐々に商いに心を惹かれ、知識を得ようとする。
 番頭の「商いの戦国武将になれる器」との言葉通り、幸は「五鈴屋」の店主の妻・ご寮さんとなって、商いの世界でその才能を発揮する物語なのだ。
 これから商いの世界で、幸がどんな才能を発揮し、生涯をかけて「商いの戦国武将」として歩むのか、次の○○編の刊行が楽しみだ。

 「源流篇」の巻末付録に、題名の意味が書かれている。
 世傳は「せんでん」と読み、「代々にわたって伝えていく」という意味。
 主人公の幸が、商いについて真摯に悩み、考え、知恵を絞り、商人として育っていく。
 彼女の歩んだ商道が、のちの世まで伝わっていけば、との願いが込められている。
と、説明している。