悪天候の中、富士山の五合目に行く

 モンゴルからのお客さんたちが、世界遺産になった富士山に行きたい。」と言っているので、雨模様の金曜日、「今日の天気では富士山は無理だなあ」と、富士山を望むことさえ諦め気分で、10人乗りの車で、豊里実顕地のコンドウさんの運転で、お客さん5名とゲレルマさんと僕で、箱根に向かう。

 東名高速に入った時には、雨も止んで、空も明るくなってきたと喜んだが、足柄SAあたりから、雨と風が強くなってきた。

 「今日は最悪の天気だね。どうする? 行く? きっと富士山はどこに行っても見えないよ。」と、そんな会話をしながら、芦ノ湖に向かう。
 芦ノ湖に近づくと、雨、風に加えて霧まで出てきた。
 時々、数メートル先が見えなくなる曲がりくねった道を、コンドウさんの華麗なドライブテクニックで、なんとか芦ノ湖に着く。
         

 中国からの修学旅行のような高校生年代の観光客はいたが、もちろん、遊覧船は「濃霧のため運行見合わせ」と掲示してある。
 とりあえず、記念写真だけは撮ろうとシャッターをみんなに並んでもらって切る。

      
 「天気のいい時だったら、こんな富士山が見えるんですよ。」と、四季折々の富士山の絵葉書セットを買って、モンゴルのお客さんに渡して、「ダメでモトモト」と富士山五合目に向かう。
 なんと、富士吉田に近づいたら、風は強いが雨も止み、富士山が見え出したではないか。
      
      
 「私は晴れ女なのよ。私の執念が勝ったね。何事も諦めちゃだめだよ。」と、ゲレルマさんは鼻高々。
 もちろん、モンゴルのお客さんは、大喜び。
 コンドウさんと僕は「来てみて、良かったねェ〜」と胸を撫で下ろす。
      

 五合目に向かう料金所で「上は強風ですよ」と言われたが、登って行く車や、下りてくる観光バスがあるので五合目に向かう。

 確かに風は強い。それでも、時折、頂上に雲がかかっているが、目の前に富士山を望むことができた。
             

 半袖では震えるほどの気温だったが、車から降りて大騒ぎ。
 モンゴルのお客さんたちは、明日が帰国だ。
 念願かなって、写真を撮ったり、お土産を買うのに大忙し。
 「富士山に行った」と、みんなに自慢すると、記念メダルに日付を刻印。
      
      

 駐車場のオジサンは「午前中は台風並みの天気だったよ。外にも出られなかったよ。」と言っていた。
 ほんとうに、ラッキーだった。
 無事、7時過ぎに新宿に戻ってきて、富士山に、みんなでビールで乾杯。
      


◇五合目トピックス
 富士山の五合目には郵便局がある。
 そこが人気だ。
 ここで投函すると、富士山五合目のスタンプが押されるのだろう。
 ここでは富士山スタンプの付いた貯金通帳を記念に作ることができるらしい。