出勤時に電車に乗っていたらゲレルマさんからメールが届いた。
『ちょっと嬉しいと言うか(祝)面白いご報告です。ガンソレグが生まれた赤ちゃんに永遠の日の丸と言う名前をつけたそうですよ…(笑)』
モンゴルの親友・ガンゾルグ君は、ゲレルマさんの弟である。
今年の正月明けに夫妻で来日した時、奥さんのウーレーさんは大きなお腹をしていた。
予定日の4月20日をだいぶ遅れて5月に入ってから出産した。
生まれたのは男の子。ガンゾルグ夫妻には2人の男の子がいるので三男だ。
その子に付けた名前が「永遠の日の丸」と言うことらしい。
モンゴル人の名前には、みんな意味がある。「永遠の日の丸」とは凄い名前だ。
妊娠中に日本に来て、これからのモンゴルのことをいろいろ熱く話し合ったので、どうしても「日の丸」というのにガンゾルグ君は父親としてこだわったのだという。
さて、「永遠の日の丸」というのは、モンゴル語ではなんと発音するのかと、記憶している乏しいモンゴル語単語から、しばし電車の中で考える。
「永遠」は「ムンフ」だ。これはモンゴル人によく付いている名前だから、きっと「ムンフ何々」だろう。
「日の丸」この言葉がモンゴル語にあるのだろうか。まさか「日の丸」=「日本」ということで「ヤポン」か。しかし、プライドの高いモンゴル人が直訳して「永遠の日本」という名前を付けるはずがない。
「日の丸?」「日の丸?」と考えていたら「そうだ、きっと太陽だ」と気づく。
「太陽」はモンゴル語で「ナル」だ。
そういうことは「ムンフナル」。
きっとそうだ、間違いないとゲレルマさんにメールを打つ。
返ってきたメールは
「ちょっと惜しいなあ〜。答えは〝ムンフナラン〟です。」
「ナル」が「ナラン」に語尾変化している。案内所に着いてから辞書を引くが「ナラン」など出てこない。あとで電話でゲレルマさんに確かめると、どうも「ナル」だけでは意味が「太陽」だけに限定されるらしく、それで「ナラン」なのだという。
まったく、モンゴル語の語尾変化は難しく、僕にはついて行けない。
とにかく、「永遠の日の丸」君が、元気に成長することを祈るのみだ。