◇『娘が撮った母の認知症』ドキュメンタリー・後編
先週初めに、11日の日曜日夜の「Mr.サンデー 」という番組で、知人の女性ディレクターNさんが、認知症となってしまった自分の母親の生活を記録したドキュメンタリー・前編のことを書いたが、その後編が、昨夜18日に放送された。
90歳を超えたNさんの父親が、認知症となった母親を介護する「老老介護」の実態から放送は始まる。
Nさんが帰省してみると、一週間ほどの汚れ物が溜まっている。それを洗濯機に入れようとするが、それができない母親。汚れ物の中で寝てしまう母親。
買い物をする父親は、そのまま食べられるパンやヨーグルトなど中心に買い物をするのを知って、そんな食事をしていたのだと驚くNさん。
買い物袋を下げながら、息が上がって何度も休みながら自宅に帰る老いた父親。
そんな2人は、人に世話になりたくないと介護支援ヘルパーへの依頼を拒む。
しかし、Nさんは、市役所にある地域包括支援センターの窓口に行って相談する。
早速、ケアマネジャーやヘルパーが自宅に来て面談。要介護1と認定される。
ケアマネジャーがデイサービスの利用を勧めると、母親は意外に素直に納得するが、家族3人になると「デイサービスには行きたくない」と膝を抱え「私をみんな追いだしたいのね」と泣き出す。
しかし、実際にデイサービスの日になると、そんなことは忘れて、口紅など化粧をはじめた母親。
デイサービスでも、ゲームや塗り絵に積極的に取り組み、他の利用者とも楽しそうにおしゃべりをして過ごす。本来のお世話好きな母親の姿がそこにはあった。
家でも、今まで途絶えていた料理をしようとする母親。
Nさんは母子で暫くぶりに料理をする。それを美味しそうに食べる父親。
デイサービスに行っている間、父親は好きな調べ物をしてのんびり過ごすこともできる。
「介護」を家庭だけで抱えるのでなく、地域社会の支援を受けることで、明るさがよみがえった家族。
そんな内容の、認知症の家族を抱える家族なら、どこにでもある問題点や葛藤を、リアルに映像化したドキュメンタリーだった。
それは、認知症になっても「その人がその人らしく生きる」という、基本的な問いかけをする内容だった。
◇RUN伴(ランとも)が町田を通過
妻が関わっているNPO法人「認知症フレンドシップクラブ」が、毎年開催しているイベント「RUN伴(ランとも)」が、今日は町田を通過するからと、その中継点となる町田駅「カリヨン広場」へ、荷物運搬を妻から依頼され、朝7時から小雨の中を運ぶ。
このイベントは「認知症になっても安心して暮らせる街づくり」を目指して、多くの人に、その認識を持ってもらおうと企画しているらしい。
今年で6年目。認知症本人、その家族、支援者などが、1本のタスキを駅伝風に繋いでゴールを目指すイベントなのだ。
年々、賛同者が増えて距離が長くなって、今年は北海道からスタートして、沖縄がゴールとなっている。
今日の天気はあいにくの雨。
それでもカリヨン広場の中継点は、そろいのTシャツを着た人たちで、花が咲いたような賑やかさだった。
町田のサッカーチーム・FC町田ゼルビアのマスコットキャラクター「ゼルビー」君も、雨の中を走って姿を現した。
このタスキ、7月2日に北海道の北見をスタートして、11月26日に沖縄の那覇をゴールとしている。
ちなみに、この中継点・カリヨン広場には、「絹の道」という碑がある。
町田は、明治時代には八王子で生産した糸を、横浜港へ出荷するために通った「絹の道」中継点として賑わったのだ。