木曜日のおしゃべり

◇今日は案内所の「子育て講座」
 ヤマギシズム学園で育った若いお母さんが3人、午前中の「子育て講座」にきた。
 乳母車に赤ちゃんを乗せて、電車に乗ってくるのだ。
 講座はカヨコさんとヒトミさんが進めて、別の部屋で子預かりをセツコさんとユリカさんがやっていた。
 2時間ほど講座をやって、みんなで持ち寄ったランチを楽しく食べて、帰って行った。
           


◇4月の高田馬場風物詩
 毎年、4月の夕方、高田馬場駅前広場は若者で埋め尽くされる。
 「何々クラブ」「何々同好会」「何々」と、手作りのプラカードが何本も掲げられている。
 新入生を確保したクラブや同好会の歓迎会なのだろう。そのメンバーで居酒屋に繰り出す集合場所になるのだ。
      
 そしてプラカードを先頭に、列になって居酒屋に向かうのだ。
 歩道をぞろぞろと、そして賑やかに歩くので、ちょっと迷惑にも思うが、初々しい学生なので、それも許してやろうと思ってしまう。



◇人が「感動」するツボ

先日読んだ新書『物を売るバカ』の著者・川上徹也さんは、
これからの時代は、商品だけを売ろうとしないで、その商品の背景を物語として全面に出して物を売れ、と言っているのだが、その中で、川上さんは面白いことを言っている。
 それは、人間には「共通の感動のツボ」があると言うのだ。
 川上さんは、それを「ストーリーの黄金律」と名付けている。
 その黄金律とは、
    1.何かが欠落している、または欠落させられた主人公が
    2.何としてもやり遂げようとする遠く険しい目標やゴールに向かって
    3.数多くの葛藤、障害、敵対するものを乗り越えていく
 この3要素が含まれていると、人は感動するのだと言う。
 歴史を大きく動かしたスピーチや演説、視聴率の高いドキュメンタリー番組やドラマ、話題になったり映画化される小説などには、必ず、この「ストーリーの黄金律」が使われていると言うのだ。
 確かに、今まで感動したと覚えている小説やドラマのストーリーを振り返ってみると、その要素があることに肯ける。

 例えば3月に放映が終わった、僕が少々ハマっていた朝ドラの「マッサン」だって、明治時代にスコットランドまで行って、ウイスキー作りを学び、日本で初めて本格的ウイスキー作りをした竹鶴政孝という人物をモデルにしながら、彼と彼を取り巻く史実に、この要素をちりばめて、ノンフィクション・ノベル化した展開になっていた。
 ちなみに「ノンフィクション・ノベル」とは、歴史上の事実や出来事、作者の個人的経験、ある人物の生涯などを、作品の正面に据え、作家の想像力でそれらに肉づけし、より臨場感をもたせて描いた小説と言われているのだが、そこに、この「ストーリーの黄金律」を駆使する技が、ベストセラーを生み出すか否か、その映像化が視聴率を左右することになるのかと、妙に納得してしまった。
 これが、別冊宝島から出されている『マッサンとリタ、その人生』という雑誌。
      
 これを読むと、ドラマの中では大きな存在だった熊虎やハナさんは実在人物でなかったことや、エリーとの結婚を猛反対していた母親が実は一番の理解者だったこと、あるいは事件や事柄の順序が史実と入れ替わっていることなどが分かり、これも「ストーリーの黄金律」を意識してのことなのかと思うが、ドラマ作品としての完成度が高くなっていることが分かる。