火曜日のおしゃべり

◇5月節句の兜
 もう、4月も下旬に入った。多摩実顕地生活館の展示コーナーに、5月節句の兜が飾られた。 
      
 一緒に飾られているヤマブキの花は、先日、栃木県の大田原農場に行ったときに、一枝持ってきたものだ。


◇短歌の新書
 先週、神戸のナオコさんから「今日の日経の夕刊に、歌人永田和宏さんが、最近『人生の節目で読んでほしい短歌』を出版したと書かれていました。」というメールが届いた。 
 僕が時々、ブログに短歌のことを書くので、それを読んでいる短歌好きのナオコさんは、わざわざ僕に教えてくれたのだ。
 実はその日、僕も書店の短歌コーナーで、偶然に目に止まって「現代秀歌の本を書いた永田さんの新刊だ。買っておこう。」と思って購入していたのだ。
 そのことをメールすると、ナオコさんから「まあ、不思議」と絵文字が付いて返信がきた。
 本当に不思議だと思った。離れていてもブログで繋がっている感じ。
 最近、やはり僕のブログを読んでくれている知人から、お薦め新刊の情報メールも届くことがある。
 ナオコさんのメールや、知人の情報メール、これもブログの効用かも知れない。
 そんなことで、いま僕の鞄に入っているのが、
 歌人永田和宏さんの新刊『人生の節目に読んでほしい短歌』だ。
       
 通勤電車の中で、気分転換と心の癒しを兼ねて、少しずつページをめくっている。
 まだ、第一部の「若かりし日々」だけしか読んでないが、その中の二首を紹介。


    人はみな馴れぬ齢を生きているユリカモメ飛ぶまるき曇天
                         永田 紅

 この歌は、永田さんの娘さんが詠んだ歌だ。
 永田さんも「たしか作者が20歳の時に作った歌だと思います。20歳という齢も60歳という齢も、その数にかかわらず『人はみな』幾つになっても『馴れぬ齢を生きている』のだと思います。」と書き「みんな自分の年齢と折り合いをつけようとしながら、幾つになっても居心地悪く生きているのかもしれない。」と解説している。
 何となく分かる気がする。
 20歳の頃は、不安を抱きながらも、やりたいことがいっぱいある中で、無限大にあるような感覚で齢を重ねてきた。
 しかし、いまは、兄や姉、同年代の友人の旅たちなどに接するたびに、自分の有限の齢を意識して、今に折り合いをつけながら、今を大切にしようと生きている。
 ユリカモメが飛んでいるまるき曇天とは、どんな世界、どんな心境を表現しているのか。
 そんなことを、この歌を読んで思ってしまった。

 ついでに明るい恋の歌も一首。


     サキサキとセロリ噛みいてあどけなき汝(なれ)を愛する理由はいらず


 これは、有名な歌人の佐々木幸綱さんが若かりし頃に詠んだ歌だと紹介されていた。
 そう、「人を好きになることに理由なんてつけるなよ」と、叫びたくなるのが恋なのだと、つくづく思う。