僕の読書時間と空間は、ほとんどが通勤や出張の際の車内が多い。
疲れたときの気分転換。20分でもいい、30分でもいい。
僕は、一時、読書でその世界に入り込んで、心身の再生をする。
そんな文庫本2冊の紹介。
◇文庫・宮本輝著 『三十光年の星たち』
今月の初めに三重に出張したとき、新幹線に乗る前に、鞄の中に読み物が何もないことに気付いて、品川駅構内の書店で買った文庫本。
結局は、その文庫(上)を読み終えて、宮本輝独特の人生訓に引き込まれて、一週間後には(下)も買うことになる。
この文庫を僕が買ったことをブログに書いたら、早速「読み終わったら貸して欲しい」とコメントが入って、すでに僕の手元にはない。
宮本輝の『三十光年の星たち』の中で、ちょっと書き留めておいた人生訓2つを紹介する。
その1
─ 現代人には二つのタイプがある。見えるものしか見ないタイプと、見えないものを見ようと努力するタイプだ。きみは後者だ。現場が発しているかすかな情報から見えない全体を読み取りなさい。─
その2
─ 働いて働いて働き抜くんだ。これ以上は働けないってところまでだ。もうひとつある。自分にものを教えてくれる人に、叱られつづけるんだ。叱られて、叱られて、叱られて、これ以上叱られたら、自分はどうかなってしまうっていうくらい叱られつづけるんだ。このどっちかだ。─
宮本輝は、大人にこのような人生訓を語らせ、それに反発や反抗心を抱きながらも、結局、それに応え、成長していく若者を描く。
◇文庫・池井戸潤著 『銀行仕置人』
池井戸潤の小説は、読み出すと止まらない。
この文庫を読み出して2日目の帰宅時、町田駅からのバスの中で読みふけって、バス停を2つも乗り越してしまったくらいだ。
テレビドラマでも『半沢直樹』が大ヒットして話題になったが、この小説も舞台は銀行。
今日の帰宅時で読み終わったが、『半沢直樹』 同様、その展開に引き込まれた。
巨額融資の焦げ付きの責任を一身に負わされた男。
自分を罠に嵌めた相手の悪を暴き、復習する物語だ。
疲れたときに、帰宅の電車の中で、気分転換に読むには絶好の小説だった。