今日は時間があるので本のおしゃべり

◇『ささみみささめ』
 先日、新聞の書評欄に目を通していて、
─ この一冊の本の中には、25編の短編小説がおさめられている。一つ一つはとても短い作品であるのに、ここにはたしかに25個の「世界」がある。(中略)世界は反転したり、非日常へと転げ落ちたり、突如、すこん、と果てしなく広がって行ったりする。またはいつのまにか夢のように変化する、その独特の感覚に中毒になる。─
 こんな紹介文があったので、どんな短編小説が載っているのだろうと読んだのが、
 長野まゆみ著『ささみみささめ』という妙なタイトルの本だ。
           
 長野まゆみという作家の本を読んだのも初めてだったが、ここに収録されている短編は不思議な物語ばかりだった。
 短編一つ一つのタイトルは、日常のなにげないひとことなのだ。
 『名刺をください』とか『ああ、どうしよう』とか『行ってらっしゃい』とか『もう、うんざりだ』とか『ママには、ないしょにしておくね!』とか 『こんどいつ来る?』などなど。
 そんな、なにげない言葉の裏に潜む妙な物語。
 25編の中には、僕は正直「なんだ?これは」と思ったり「無理した起承転結」と思ったのもあったが、ドキッとする結末の物語もあって、ついつい、次はどんな物語なのかと、通勤電車の中でも2から3編読めるので、最後まで読んでしまった。


◇『海賊とよばれた男
           
 先日ブログに、百田尚樹の『幸福な生活』という短編集の文庫本の事を書いた時に、
─ 百田尚樹の『海賊とよばれた男』は話題の小説だが、僕はまだ読んでいない。ひたすら文庫化を待っている。─
 と書いたら、ブログを読んでくれた三重のヤマギシの村のヒロコさんから「単行本、読み終わって、あるわよ。読む? 送ろうか?」と電話をいただいた。
 この本は、2013年度の「本屋大賞・第一位」のベストセラーだ。
 しかし、読みたいけれど(上)と(下)を買うと出費が大きい。
 『永遠の0』は文庫本で読んだし、これも文庫本になるまで待とうと思っていた僕の心を察しての〝愛のおことば〟だった。
 送っていただくのも・・?? と思って「今度、行った時に貸してください。」と言ったのだが、ヒロコさんは多摩実顕地から三重に行った人に託してくれて、僕の手元に届いた。
 早速、今朝の通勤電車から読み始めたのだが、まだ60ページしか読んでないが、もうハマりそう。
 お正月にかけて読むには最高の本だ。そんな予感がする物語の展開だ。
 ヒロコさん、ありがとう。