銀座シネパトスが今月末で閉館だった

 昼頃、石川県のヤマギシの村のNさんからメールがきた。
 「昨日、銀座シネパトスでインターミッション、映画みました。ツカヤマさんが照明。お知らせまで。」こんな内容だった。
 軽い気持ちで、ツカヤマさんの照明映画なら見たいと思って返事をしたら、
 さらに、メールで「31日までですよ。その後、取り壊し、閉館なので。念のため。」と知らせてきた。
 Nさんは、松戸市にあるお墓参りで上京していて、昨日は、一時期ヤマギシの住人だった照明技師のツカヤマさんと会って、一緒に映画を観たらしい。
 そう言えば、銀座の有名な名画座が、耐震性の問題もあって、ファンに惜しまれながら閉館するというニュースを聞いたことがあって、閉館前に一度は行ってみようと思っていて忘れていた。
 閉店する銀座の名画座、それに「インターミッション」はツカヤマさんが照明を担当、やっぱり行って観てみたいと、一気に興味が湧く。

 会の機関紙「けんさん」4月号の編集も、やっと午前中で一段落。
 紙面を作ってくれるイワタさんに、編集し終えた原稿と写真を送り終わったところで、イワタさんの制作待ちだ。
 そんなことで、夕方までに今週中にやっておきたいことを片づけて、地下鉄に乗って東銀座駅近くの、閉館するという銀座シネパトスに行く。
         
 映画館がある地下に降りて、シニア券を買って中に入ると、月末閉館とあってか、意外に混雑。
 確かに古い映画館だ。
 まるで、原田マハの小説『キネマの神様』に出てくる名画座そのものだ。
 椅子に座っていると足下に振動も感じる。
 これは上映中の映画の中でも、字幕で紹介されているのだが、下を走る地下鉄の振動と音のようだ。
              
 映画「インターミッション」は、この銀座シネパトスを舞台に、劇場を訪れる個性的な客たちの、休憩時間に繰り広げる人間模様を描いた、閉館に伴う特別記念作品だった。
 そんな内容に、最初はちょっと戸惑いながらも、観ているうちに面白くなって、ラストシーンまで観ると、何とも不思議な面白さを感じる映画だった。
 特にラストシーンは、劇場そのものが爆破されるシーンなのだが、そこから逃げ出して、近くの公園で、爆破する光に照らし出される、主人公の支配人役の秋吉久美子たち3人の女性の表情が印象に残る。
 その表情を観ながら「おお、ツカヤマさん、凄いね。さすがツカヤマ照明だ。」と、顔に当てられる照明効果に感嘆。
 僕は、そのツカヤマ照明マンの技術による効果抜群なラストシーンに十分満足して、31日に閉館になる銀座シネパトスを後にし帰途についた。
       

 Nさん、知らせてくれてありがとう。