『モンゴルノート ─大草原に始まったヤマギシの村づくり─』
三重のヤマギシの村・春日山実顕地で牛飼いをしている柳さんは、2010年4月にモンゴルで初めて開催された「モンゴル第一回特講」の世話係だ。
モンゴルで特講を開催される機運をつくったのも、柳さんの情熱が大きく貢献している。
開催までのいろいろな難問に、打開策を探りながら悩んでいた時など、僕はずいぶんと柳さんの励ましに助けられたし、元気が出る助言もいただいた。
その柳さんと、僕も一緒にモンゴルの第1回特講の係として同行したのだが、柳さんは飛行機に搭乗してから、ノートにメモを始めた。
ウランバートルの宿舎でも、夜遅くまで、その日の出来事をメモしていた。
「柳さん、何、書いてるの?」と聞くと、
「この歴史的事実を〝モンゴル践記〟として残したいんだよ。」と柳さん。
「えぇ! モンゴル戦記、戦争じゃないよね。」
「センキはセンキでも、戦争のセンキでなく、実践の記録という意味でのセンキだよ。」
柳さんは、モンゴルに広まろうとしているヤマギシの運動記録を、〝モンゴル践記〟として記録していたのだ。
結局その記録は「モンゴルノート」というタイトルになったのだが、帰国してからも、柳さんはモンゴルの歴史などを丹念に調べて、続編を書き続けて、モンゴル第3回特講の係として行った記録は、なんと「モンゴルノート・Ⅳ」となったのだ。
そのモンゴルノートⅠ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳの記録を、なんとか一冊にまとめたい、特講の真価を伝えたい、という柳さんの情熱が、
今回の『モンゴルノート ─大草原に始まったヤマギシの村づくり─』という冊子である。
この冊子は、手作りだ。
最近は便利なものがある。
柳さんから「仕様書なんかを綴じる時に使う製本機ってのがあるらしいよ。」という情報をもとに、インターネットで「製本」と検索したら「とじ太くん」という卓上型の製本機が見つかった。早速、アマゾンで入手。
読みたいと言う人がいたら、コピーして、背表紙にノリが付いた専用カバーを付けて「とじ太くん」に挟んで45秒加熱すると、きれいに製本されるのだ。
実に、柳さんは文章が上手い。詩人でもある。そして何よりもモンゴルに対する情熱から執筆した文章だけあって、伝わるものがある。
だから、好評なのである。
今日も30冊作った。