映画『はやぶさ 遥かなる帰還』

 今日は土曜日の夜というのもあって、帰宅途中、小田急線の新百合ヶ丘で下車して映画を観る。
 先日、知人から「さすが渡辺謙ならではの演技だった」という話を聞いて、時間があったらぜひ観ようと思っていたはやぶさ 遥かなる帰還』という映画だ。
       
 物語は一昨年の6月に、約7年の年月と総距離60億kmの宇宙の旅を終えて帰還した小惑星探査機「はやぶさ」の偉業を描いたものだ。
 2003年5月に鹿児島内之浦宇宙空間観測所から小惑星探査機「はやぶさ」を搭載したロケットが発射された。無事起動に乗って「はやぶさ」はエンジンのトラブルなどもありながらも2005年に小惑星イトカワ」の姿をとらえタッチ・ダウンに成功する。
 そして地球への帰還途中でも、エンジンの不良、姿勢制御が不能に陥るなどの幾多のトラブルに見舞われ、さらには通信も途絶えるが、必死に、諦めないで電波を発信し続けて捉える。
 なんとしても「はやぶさ」を帰還させようとする技術者たち、お金にならない探査機の部品を作った町工場の社長など、宇宙を舞台に繰り広げるロマンと情熱いっぱいのストーリーだった。
 技術者たちの、わずかな可能性にすべてをかけて必死に奮闘する姿にも、手に汗を握る感動がある。
 主人公であるプロジェクトマネージャーの山口教授を演じる渡辺謙の演技は、知人の言葉通り「さすが・・」であり、観に行った価値は十分あったと思った。
 さらに町工場の社長を演じる山崎努の人間味と貫録ある演技や、小型エンジン開発に情熱をかける江口洋介吉岡秀隆などの演技もいい。
 小惑星探査機「はやぶさ」の偉業を成し遂げた人たちと、その技術水準の高さ。同じ日本人として元気をもらう映画だった。