「見ざる・聞かざる・言わざる」の話

◇ジャウザンスレンさん
 先週から来日していたモンゴルからのお客さん・ジャウザンスレンさんが、今日帰国するので成田空港に見送りに行った。
         
 ジャウザンスレンさん(写真左)は、ゲレルマさん(写真右)の親友で、ウランバートルで印刷会社を経営している。先日、モンゴル訪問の時にも大変お世話になった。
 今回は、三重のヤマギシの村・春日山実顕地や豊里実顕地も訪問し、東京滞在中は多摩実顕地に宿泊して、ヤマギシの生活を体験してもらった。
 ジャウザンスレンさんの弟は、夏のモンゴル特講に参加しているのだが、今回の来日で彼女自身も、もっとヤマギシの事を知りたいと思ったようで、年末に再来日して日本の特講を受講したいと言って帰って行った。

◇ジャウザンスレンさんから頂いた人形

 先日、モンゴルを訪問した時に、帰国前にジャウザンスレンさんが写真の人形をプレゼントしてくれた。
         
 人形を見て、僕は日光東照宮の3匹の猿が両手でそれぞれ目、耳、 口を隠している3猿像と同じだと思って、その話をしたら、モンゴルでも同じ話があると言うのである。
 モンゴルの諺には、日本の諺と同じようなものがあることは、昨年春に開催した第一回特講の中で知っていたので「これも同じだな」と思って帰ってきたのだが「それにしても?」と思って調べてみたら・・・。
 なんと、この3猿の話は、世界的にも"Three wise monkeys"として知られていて、見猿・聞か猿・言わ猿のモチーフ自体は古代エジプトにも見られるもので、シルクロードを経由して中国から伝わったものだと言われているのを知った。
 さらに調べてみると、インド独立の父・マハトマ・ガンディーは常に3匹の猿の像を身につけ「悪を見るな、悪を聞くな、悪を言うな」と教えたし、アメリカでは教会の日曜学校などで3猿を用いて「猥褻なものを見たり、性的な噂を聴いたり、嘘や卑猥なことを言わない」よう諭すことがあると書かれていたのには驚きである。
 それにしても「見ざる、聞かざる、言わざる」という日本語の語呂合わせからしても、古来世界各地にそれが古くから存在していたというのが不思議ではないか。
 でも、ジャウザンスレンさんから頂いたのは、猿でなく子供だった。モンゴルには猿がいないのかもしれない。それで教育的現実味を出すために猿が子供に変わったのだろうか。