モンゴルでは「秋桜」が咲いている

 通信事情がわるく、なかなか届かなかったモンゴルからの便りが、やっと昨夜届いた。
 14日からスタートしたモンゴルでの第3回目の特講も、無事進んでいるようだ。(詳細の現地報告は「むらnet」に投稿したので省略)

◇8月のモンゴルはもう晩夏。
 届いた写真の中に秋桜の咲いている写真があった。(モンゴルにも秋桜が咲く)
 −−モンゴルの男の子と秋桜−−
            
 写真の男の子は小学1年生。大きい。今回の特講に叔父さんが参加している。お母さんと開講日に叔父さんを特講会場となる農場まで送ってきたらしい。

馬頭琴のはなし
 モンゴルでは、なにか新しい事を始める時には馬頭琴を奏でて「悪霊」の御祓いをするらしい。
            
 昨年の第1回特講の時も、60歳の最年長の女性参加者のダワーさんが「それをやらないと特講は始められない」と係団の僕たちに緊急動議。参加者の中で馬頭琴を習っている青年・ドルジョ君が急遽「悪霊御祓い」の馬頭琴演奏をした。

      
 今回は、7月上旬に来日して、ヤマギシの村を参観した地元市長さんの息子さんが参加している。彼は、昨年第2回特講の時も市長のお父さんと農場まで来てくれて、歓迎の馬頭琴演奏をしてくれたのだが、今回も係団が農場についた夜に来てくれて演奏をしてくれたという。その時に特講参加を決めたようで、開講日には参加者の1人として、馬頭琴を奏でたらしい。

 蛇足になるが、第1回の時のドルジョ君は、現在、軍隊に入っているらしい。モンゴルでは徴兵制があり、男性の18歳から1年間兵役に付く事になっている。ドルジョ君は特講期間中、皿に盛られた一人前のボーズ(肉入りマントウ)を、僕が食べきれず苦戦していると、優しく笑って残りを食べてくれた好青年。軍隊で元気にやっているだろうかと時々思い出す。
                       
 今回の特講で、モンゴル人でヤマギシの特講を受けた人は60人となる。
 
千の風になって、モンゴルに
 案内所から我が家・多摩実顕地に帰ってきたら、玄関前でヨウヘイ君が「送り火」を焚いていた。
 
 そこにシマダ夫妻がいた。「カトウサンがちゃんと戻っていくようにね」とトモコさんが言う。
 昨年、11月に亡くなったカトウサンは、今年が初盆。迎え火を焚いたのもシマダ一家だったようだ。
 ヨウヘイ君に迎え火・送り火を焚かせるシマダ夫妻。
 このような事をしっかりと子供にさせるあたりがシマダ夫妻の素晴らしいところだ。子供への親の教育は、こんな些細と思われがちなところにあると僕は思う。
 そういえば、カトウサンは生前、モンゴルでの特講開催をとても喜んでいた。僕が第1回の特講から帰国してきたら、ロビーで待っていて、報告を一番に聞いてくれたのは病気治療中のカトウサンだった。
 「カトウサン、第3回は25名も大勢の受講者で今やっているよ」と、僕は送り火を見ながら呟いた。
 きっと、カトウサンは言われるまでもなく、千の風になって、モンゴルの草原の上に行くだろう。