俳優・金子達さんが一人芝居を

 ヤマギシの村人でもあった俳優の金子達さんから「もし、案内所の研鑽室が空いていたら2時間ほど使わせてもらえないだろうか」と先週始めに連絡があった。

 金子さんは、昨年春に、核の恐ろしさをユーモアな絵柄で表現したイギリスの絵本「風が吹くとき」を劇場演劇にプロデュースし、池袋の劇場で自らが演じた俳優だ。
         

 金子さんは、時々TVなどの脇役では見かけるが、有名な名の通った俳優ではない。今年で65歳だという。役者をやりながらの郵便局アルバイトも、今年は高齢で再契約されなかったらしい。
 「いま、これをやらないと、人生に悔いが残ると思って・・」と、今回は一人芝居を演じて全国を巡るという。
 一人芝居の内容は、原発事故以降に話題になっている原子力発電所の現場で20年間働いていた1級プラント配管技能士の平井憲夫さん(1997年に逝去)が書いた「原発がどんなものか知ってほしい」という文章をもとにした芝居だ。
 その脚本ができたので、応援してくれる人の前で内容チェックも兼ねた「読み」をやりたいから、案内所の研鑽室が空いているなら貸して欲しいと、今日・火曜日の午前中に、脚本家やフリーのジャーナリスト、金子さんのお兄さんなど数人が案内所を訪れた。
 平井憲夫さんの文章は、以前に金子さんからいただいて読んでいたが、金子さんの「ぜひ聞いて欲しい」という誘いで、その場のお付き合いを僕もしたのだが、金子さん独特の音量豊かな脚本読みは、なかなかの迫力あるものだった。
   

 これから脚本家と練って、演出や小道具も考えて、来年早々から全国を巡る計画だという。
 いくつになっても役者人生を歩み、それによって社会に提言する金子達さんに、僕は陰ながら声援を贈りたい。ガンバレ金子さん。