中断していた「楊令伝」を読みだす

 機関紙「けんさん10月号」の編集も、昨日の午後から今日にかけて集中的にやって一段落。あとは、原稿を担当した編集メンバーに確認してもらって、次の工程の紙面づくりのイワタさんに明日送信するまでになった。
 昨日の退勤時は、疲れていてボーと電車に揺られていたのだが、今の帰宅時は、昨日同様に疲れてはいたが不思議と何か読み物が読みたくなって、モンゴル出張やその準備で暫く中断していた北方謙三の文庫「楊令伝」4巻を読みだした。
        
 「楊令伝」は、北方謙三が「水滸伝」の続編として書いたものだ。
 北方は、108人の豪傑たちが「替天行道」(天に替わり、道を行う、という意味)の旗を掲げて、世直しのために反乱を起こすという中国の物語を、キューバ革命をイメージしながら構成し直して、北方謙三版「水滸伝」を書き上げたという。
 その続編として、梁山泊で激戦の末に敗れ、志半ばに各地に散った生き残り同志たちが再結集して、再び、腐りきった大国・宋に対して世直しの戦いを挑む物語が「楊令伝」だ。
 何といっても、北方謙三の世界は、登場人物一人一人を、個性的に、魅力的に、志に命を懸ける「男」として描いていのが魅力なのである。そしてまた、味方だけでなく敵である憎き官軍の指揮官たちも個性的に描き、読む者にとって気になる存在なのである。その両者の駆け引きが読む者を物語に引きずり込むのだ。
 そんなワケで、(男の物語なので、ちょっと女性には薦めないが) 
 疲れた時の、気分転換の読み物には打って付けなのである。
 それも、この分庫本は現在、月1冊のペースで刊行されている。あわてず、気分転換の時に、時間の合間に読むのにはピッタリの小説だと思って、僕は鞄に入れている。