最近観た映画と、最近読んだ本のおしゃべり

◇映画『シサム』を観る
 アイヌと和人との歴史を描いた映画『シサム』が公開されていると聞き、新宿に出掛けたついでに観た。

    

 この映画は、江戸時代初期、蝦夷地と呼ばれた現在の北海道を領有していた松前藩が、アイヌとの交易をおこなうなかで起きた争いを描いている。
 ストーリー構成としては、異文化を有している民族、未開の民として蔑み、その民に不慮の事故で生死を彷徨う中で助けられ、傷を癒やしながら民と生活を共にする中で、その民たちの文化や生き方に触れ、理解し、人間として成長していく青年の葛藤を描くというもので、それほど特別なものではないが、北海道の大自然をバックに、激動の歴史の渦に巻き込まれた武家の若者の成長の姿、アイヌの人々の暮らしと和人の理不尽な侵略などが丁寧に描かれていて、見応えのある史実に基づいた物語ではあった。
 因みに、撮影現場となったのは北海道白糠町大自然の中。アイヌを演じていた俳優たちはアイヌ語を使っての演技。それもこの映画の完成度を高めていると思った。

    

 監督は中尾浩之。主演は松前藩士の青年を演じる寛一郎。共演に三浦貴大和田正人坂東龍汰、平野貴大、サヘル・ローズ、古川琴音、要潤富田靖子緒形直人など実力派俳優。
 入場時に、こんな新聞をいただいた。 

    

 

森沢明夫著『おいしくて泣くとき』を読む

 「泣ける文庫本、あるよ」と読書友だちからメールをもらって、出張中の電車の中で読んだ文庫本だ。

    

 子ども食堂を舞台に、そこに「子ども飯」を食べに来る複雑な家庭環境を抱える中学生の子供たちと、食堂を営む父親と、それを「偽善」な行為とみられていることに葛藤する中学生の息子の成長を描いた物語。
 森沢明夫という作家、初読みの作家であったが、実に涙を誘う筆力を駆使する作家だと驚く。後半部分は電車の中での読書でなくて助かったと思ったくらい、涙腺を刺激された。 ネットで検索してみたら、この作家の作品が何冊も映画やTVドラマ化されている。昔観た映画、高倉健の「あなたへ」も原作は森沢明夫と知って納得。
 これからの秋の夜長をムダに過ごさないために、気軽な読書には最適な作家かも知れない。

 

◇ついでにアップするPhotoおしゃべり
*その1

    

 さすが、パッションフルーツの花、情熱的だ。新東名高速の岡崎SAで撮影。僕は初めて見て感動。

 

*その2
 町田で見ることが出来た今月のお月様。
 これが今年の中秋の名月(9月17日)だ。

    

 翌日の満月「ハーベストムーン」(収穫の月)

    

 

*その3

    

 久々に田舎の稲穂風景に触れる。先日、姉の葬儀で田舎に出掛けたときに撮影。8月末に90歳の誕生日を迎えて旅立った姉は、僕にとって子供時代は、農業に忙しい母親にかわっていつも面倒をみてくれた姉だった。