一度は訪れたいと思っていた『越中八尾おわら風の盆』へ

 もうかなり昔、髙橋治さんの小説『風の盆恋歌を読んだ。
 北陸の八尾の町に行って「風の盆」を見てみたいという思いだけは残っていて、この本は長いこと僕の本棚に残っている。
 髙橋治さんが2015年に亡くなったとき、本棚から引っ張り出して再読した。

     

 この文庫本の解説で歌手の加藤登紀子さんは、「この小説は男と女の恋という形をとってはいるけれど、実は、風の盆を描きたという著者の狂おしいほどの情熱によって書かれたものだと思う」と書いている。
 確かに、読み終わって、中年男女の不倫物語を読んだというよりは、年に一度、八尾の町で三日間繰り広げられる「風の盆の幽玄な世界」だけが心に残る小説なのだ。
 そんなことで、僕は八尾町の「風の盆」に一度は行ってみたいと思い続けていた。

 

 先日、ファーム町田店の駐車場で地元の踊り同好会の人たちが、この「風の盆踊り」を披露してくれたこともキッカケとなって、風の盆ツアー旅行を探し当て、残り少ない定員枠に何とか申し込んで、今回の八尾町「おわら風の盆」訪問が実現した。

 

◇9月1日、午前10時半に東京駅を新幹線で長岡駅に。長岡駅から越後バスに乗って富山県に向かう。
 夕方、夕食用に弁当が配られ、それを食べながら八尾町へ。

    

    

 この弁当が、なかなか美味しい弁当で驚く。2019駅弁大将軍優勝「さけめし」と2012駅弁大将軍優勝「鱈めし」が一緒になった駅弁なのだ。名前は「二大将軍弁当」(1800円)。
 
 夕方5時半に八尾町の「町民ひろば」に到着。
 河原の石をきれいに積んだ石垣の坂道を登って、八尾の踊りを繰り広げられる地区に。

    

    


 町の通りには、人がいっぱい。

    

 通りの両側に並んでいる家々、この「風の盆踊り」のために建てられているのかと思うほど、厳粛に調和がとれている。

    

 銀行の建物もこの通り・・・だ。

    

 「ぼんぼり」も通りの両側に飾られて・・・。

    

 人も増えてきて・・・・通りの両側に座っている人も増えて・・・。

    

 なんとなんと、この踊りを観賞するために作られたのかと思う建築の家も。

    

 宵闇迫ると「ほんぼり」も輝きだして・・・。

    

    

 事前にもらった各町内の踊りスケジュール表を見ながら「町流し踊り」を求めて人混みの通りを散策。
 一番有名な諏訪町通りで座って待っていたが「踊りがここまで来るのは、まだまだ先で9時過ぎかな?」という囁きを聞いて、ここで待ていたら10時の帰路集合に間に合わないと、他の町内へ移動して「町流し」を観賞。

    

 子どもも浴衣を着て踊りに入っている。

    

    

 三味線や胡弓の音色と唄にあわせて・・・。

    

    

    

 

 次に、よくTV中継される「鏡町おたや階段前」に行ってみようと思いついて・・・。
 ここも観客でいっぱいだったが、なんとなんと観客席になっている階段の観客入れ替えのタイミング。「ラッキー」と階段中段に席を確保できて座って観賞。

    

    

    

    

    

    

    

    

    

    

    

    

    

    

    

 ゆっくり座って観賞に満足、満足。

    

 踊りが繰り広げられている八尾の町に後ろ髪を引かれる思いを断ち切って、10時に集合場所の「町民ひろば」に。

    

 八尾の町の上には、大きなお月様が輝いていた。

    

 

 大混雑の「町民ひろば」を11時にバスが出発、金沢市のホテルに向かう。

 ホテル到着12時ちょっと前。

 おわら風の盆」の一日が終わった。