「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日
この歌が収録されている「サラダ記念日」と題した歌集。
僕の本棚にあって、今日は7月6日だと思って手に取ったが、だいぶ汚れが目立つというか、黄ばんできて古くなった感じ。
それもそうだ。この歌集が280万部のベストセラーとかで騒がれたのは1987年。
34年前のことだ。
確かにこの歌集が出たときは僕もビックリした。
こんな話し言葉(現代口語調)の短歌を詠む歌人って、どんな女性だろうかと興味をもって、この歌集を手に取った記憶がある。
そして、それ以降、僕は密かに俵万智さんを追いかけている。
だから、ついつい、7月6日になると、この歌集をめくってしまう。
そして、毎年、7月6日のブログには、「サラダ記念日」のことを記してしまう。
今年の今日もやっぱり記しておこう。
俵万智さんは、この歌ができた経緯を次のように新聞で語っていた。
「もともとはサラダじゃなくて鶏の空揚げでした」と言っている。
ボーイフレンドと野球を見に行ったときに、カレー味の空揚げを弁当に入れて行ったら、彼が「おいしい」と言ったらしい。
それで、〈カレー味のからあげ君がおいしいと言った記念日六月七日〉という歌になり、
さらに〈「カレー味がいいね」と君が言ったから今日はからあげ記念日とする〉に直したらしい。
しかし、空揚げでは歌にならないと思って、サラダに変えて、7月のSの音とサラダのSの音がいいので7月に変えて、7月7日では七夕でありきたりだから一日前の7月6日にして生まれたのが〈「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日〉なのだと言う。
その経緯が、実に面白いと僕は笑ってしまう。
追加で、もう一言。
僕が歌集をめくるたびに、いい歌だなあって思うのが・・・
「寒いね」と話しかければ「寒いね」と答える人のいるあたたかさ
そして、笑ってしまう歌が・・・
「嫁さんになれよ」だなんてカンチューハイ二本で言ってしまっていいの