立花隆さんが亡くなった

 今朝、6時のNHKニュースで「ジャーナリストでノンフィクション作家の立花隆さん(80歳)が亡くなった」のを知った。

   f:id:naozi:20210623203323j:plain

 立花隆さんというと、文藝春秋に発表した『田中角栄研究』が田中内閣退陣のきっかけになったと言われ、それが代表作として挙げられるが、僕は、何といっても大きな感銘を受けたのは、宇宙飛行士たちの、宇宙体験後を心の様を丹念に取材した『宇宙からの帰還』だ。
 インタビューの中で、宇宙からの帰還した宇宙飛行士たちは、ほとんど誰もが、彼らの人生観を大きく変えるほどの精神的に深い体験を語っていた。
 そしてその後、宗教家になった人、画家や詩人になった人、ビジネスや政界で成功している人もいるが、科学者であったり、理系的頭脳の持ち主である彼らが、地球の美しさと宇宙の闇の深さに衝撃を受け、「地球が宇宙の奇跡として存在」しており、そこに「人知を超えたある意思」が働いていることを感じている事実。地球において、ブッダやイエスなどを初めとする宗教家が長い修行を通して達した悟りの内容を、宇宙体験の一時が宗教体験と同質のものを感じてしまう内容に、僕は不思議な衝撃を受けた記憶がある。
 25年ほど前の書籍であるが、これを機会に、もう一度、読み直してみようかと思った。

      f:id:naozi:20210623203422j:plain