今日から6月がスタート

 今朝、屋上に上がったら、昨日の曇天と小雨降る天気とは打って変わって、まるで「梅雨明け」のような清々し陽差しの晴れ。
 妻にそれを言ったら「まだ、梅雨に入ってないのに、何言っているの?」と・・・。
 今日から6月に入ったが、梅雨入りは、もう少し後になりそうだ。


◇会の新聞「けんさん」6月号編集
 今日は一日、会の新聞「けんさん」の編集作業。
 集まってきた原稿を、紙面構成を考えながらタイトルを付けたり、語句を直したりの編集をする。
 この編集作業を、根を詰めて一日パソコンとにらめっこでやると、ちょっと夕方には疲れを覚える。
 来週の火曜日には、メドを付けたいと思っている。


北方謙三の歴史大河シリーズ 『 チンギス紀 』
 第一巻 『 火眼(かがん)』 を、今日の帰宅時の電車の中で読み終わった。
        
 さすが北方謙三だ。読み出したら引き込まれてしまう。
 文体も歯切れがいい。

 たとえば、第一巻の第1章「砂塵」はこんな出だしだ。
 ─大地が揺れていた。
  丘も草も、木立や岩も、陽炎(かげろう)の中にあった。
  眼をこらすと、丘を越えてくる人影が小さく見えた。人の姿も揺れていた。─

 第2章の「雪の白さ」では
 ─白い色が、好きだった。
  雪が好きで、それを降らせる冬も、好きだった。─
 こんな文章で、モンゴルの大地、風になびく草原をイメージするに十分な言葉が並ぶ。

 第一巻 『 火眼 』 は
 主人公・テムジン(のちのチンギス・ハーン)は、10歳のときに、モンゴル族を束ねるはずだった父が、宿敵に殺害されてしまう。
 テムジンは後継になるはずが、離反しようとした異母弟を、一家を守るために殺したため、対立する氏族に命を狙われ、南に逃げのびる。
 砂漠を越え、金国という南の地で、書と出会い、鉄の鋳造を知り、草原の遊牧民として生まれた自分の役割を自覚しつつ、のちに世界を震撼させる男に成長する芽が育まれる。
 一年後、テムジンは父が成し得なかったモンゴル族統一という志を抱いて、故郷の家族のもとに帰る。

 次は第二巻 『 鳴動(めいどう)』 だ。
        
 これから徐々に読みだそう。


朝日新聞5月30日夕刊で
 夕刊3面の「文芸・批評」欄に、『 チンギス紀 』 が取り上げ紹介されていた。
        
 これによると、北方謙三歴史小説を書き始めた約30年前から描きたかったテーマだったらしい。
 これまで、男がいかにして生きて死ぬかをテーマにしてきたが、「チンギスという謎めいた男に、魅力と作家としてのやりがいを感じた」とインタビューに答えている。
 さらに「墓が見つかっていないというのもあるが、侵略を始める以前は説話があるだけで信頼できる史料がないなど、特に謎めいている。まさに『幻影の大英雄』。幻影に実体をもたらせるため、どういう人格の者が侵略を考えるようになったか、描こうと思った。これは、小説だからできること。自分の想像で描くことそのものに快感があるんです。」と語っている。
 このシリーズは、15巻前後を目安にしていると紹介されていた。