原宿の「太田記念美術館」に行く

 高田馬場駅から山手線で8分ほど乗った4つ先の原宿駅近くに、浮世絵専門の太田記念美術館がある。
 そこで、特別展「没後150年記念・菊川英山」を開催中だというのが新聞で紹介されていた。
 僕は現在、浮世絵に影響された画家・ゴッホのことを描いている原田マハの『たゆたえども沈まず』を読んでいる。
 そんなことで、浮世絵に少し触れてみたくなって、夕方、時間があったので帰宅途中に原宿駅で降りて、太田美術館に寄ってみた。
 原宿駅から歩いて5分ほどの、大通りからちょっと入った所に美術館はあった。
        
 入場料1000円を払って展示室に。
 実に見応えのある美人画が、3つの展示室に分けられて約100点も展示してあった。(200点を前期と後期で入れ替えらしい)
 色鮮やかな美人画。それぞれの美女の面長な輪郭、切れ長の細い目、その立ち姿や着物の柄の描きと言い、「凄いなあ〜」に尽きる。

 展示作品の撮影はできなかったので、ここには、パンフレットや新聞に紹介された画像を転載させていただく。
 これは、特別展のパンフレットの美人画
           

 こちらは、東京新聞に紹介されていた美人画「花あやめ五人揃 廊下」
             
 「華やかな遊郭のバックヤードで、部屋から出てきた遊女と、廊下を歩く遊女が出くわした。時間はおそらく夜。廊下の遊女は懐紙を持って、トイレに向かうところだろう。一方の遊女は髪がほつれ、背後の屏風には客のものとみられる着物がかかっている、客のうわさ話か、それとも働く相手をねきらう一言か。2人の表情は柔らかく、働く女同士の、ひそひそ話が聞こえそうだ。」と、東京新聞の記者・丸山ひかりさんは、この絵を紹介していた。

 こちらは、パンフレットの裏面に紹介されている美人画の数々。
         
 ここで、菊川英山を歌麿なき後に現れた、知られざる美人画の名手」と紹介し、
 「菊川英山(1787〜1867)は、喜多川歌麿の亡き後、文化年間(1804〜18)を中心に活躍した浮世絵師です。多くの絵師が歌麿風美人を描くなか、英山は洗練されたファッションに身を包んだ可憐な女性像を確立し、美人画界に新風を吹き込みました。その作品には上品な武家の姫君から、愛らしい町娘、ゴージャスな遊女まで、様々な女性たちが時に優雅に、時にポップにカラフルに描かれます。近年では知られざる存在となっていますが、こうした英山の美人画は門弟の溪斎英泉のみならず、歌川国貞や歌川国芳など、以後の絵師たちに大きな影響を与えました。幕末の美人画は、英山から始まったと言っても過言ではないでしょう。」と解説している。