昨夜半には、台風18号の影響で時折雨風が強く、その音を夢うつつの中で感じたが、 早朝には、雨風も止み天気は回復。
今日の東京は、台風一過の日差しが強い夏日だった。
朝6時の空模様。
午後2時の空模様。
◇夜、TV・ドラマ『 眩(くらら)〜北斎の娘〜 』を観る
朝井まかての時代小説『 眩(くらら) 』が、NHKでドラマ化されることを知って楽しみにしていた。
原作となった小説は、昨年3月に刊行され、僕は5月に読んだ。
テレビ放送案内に
─江戸の天才絵師・葛飾北斎(長塚京三)を陰で支え、やがて「色」と「影」に執着し独自の画法にたどり着いた北斎の娘・お栄(宮崎あおい)。そのお栄の執念の半生を描く。─
とあるように、北斎の浮世絵制作の世界を描いた物語である。
北斎の娘のお栄は、北斎に可愛がられ、幼少のころから筆を持つ。
そして、一度は嫁いだが、嫁ぎ先から戻って、再び、北斎の下で絵を描き技術を追求する日々。
お栄は、「この世は光と陰で出来ている。」と、その表現に西洋の陰影表現を取り入れ、色の濃淡で描き表すことに精魂を込める。
そんなお栄の一生の物語の展開を、原作を読んでいるので理解できたが、果たして読んでいなかったらどうだろうか。ドラマ化という時間の制限で、残念ながら少々の物足りなさを感じる出来だった。
しかし、料理をすることなど嫌いで、酒と煙草を愛して、絵の技術だけに没頭するお栄を、宮崎あおいはよく演じていた。
◇両国駅近くに「すみだ北斎美術館」がある
昨年11月に出来た「すみだ北斎美術館」を僕は、今年の始めに訪れた。
そこに、北斎とお栄が、仕事場で絵を描くことに没頭する姿を再現した模型がある。
実にリアルだったので、その時に写してきた写真を紹介する。
◇やっぱり原作を読むことをお勧めする
昨年5月にブログに書いた一部を転載。
この小説、『 眩(くらら) 』は、葛飾北斎の三女・お栄こと画号を「葛飾応為」という天才浮世絵師の生涯を描いた物語だ。
お栄は、北斎に「美人画では敵わない」と言わせたほどで、西洋の陰影表現を体得し、全身全霊、生涯のすべてを、絵を描くことに投じた女性なのだが、生没年未詳の謎の天才女絵師なのだ。
そのお栄こと葛飾応為と、父であり師匠である葛飾北斎を、朝井まかては見事に生き生きと描き切って、浮世絵師たちの制作作業の様子から、浮世絵業界の人間模様、北斎の代表作「富嶽三十六景」や、応為の代表作「吉原格子先之図」などを描いた様子までを、実にリアルに書いているのだ。
そして、北斎とお栄は、北斎の孫、お栄とは腹違いの姉の子供・時次郎に生涯苦労し、その尻拭いに一生借金生活をおくるという、天才絵師の葛飾北斎の家族を、実に俗的に、人間的に描いているから興味がわく。
浮世絵の世界に興味がある人には、お勧めの一冊だ。