文庫本と短歌本のおしゃべり

 ファーム町田店の駐車場脇の花壇のパイナップルリリー。
 今、花が咲いている。
 お客さんが「かわった素敵な花ね」という。
        
 南アフリカ中央アフリカ原産の球根植物だ。花言葉は「完璧」「完全」。


◇文庫・宮部みゆき著『荒神
 僕は、宮部みゆきの小説は、直木賞をとった『理由』くらいしか読んでいないと思う。
 今回、『荒神』を貸してくれる人がいて読んでみた。
        
 ファンタジーが色濃く混ざり合った時代小説だった。
 江戸中期の元禄時代、東北の2つの小藩を舞台とした物語。
 東北の寒村が、一夜にしてに壊滅。村人を殺し、村を焼き尽くされる。
 隣り合いながらいがみ合う2藩の思惑が交錯する。そこで起きた厄災。
 それは、想像を絶する奇怪な怪物の仕業だった。
 その怪物の正体はなにか、なぜ現れたのか、どうすれば倒すことができるのか。
 奇怪な怪物と人間の戦いの物語だった。
 来年1月に、NHK・BSプレミアムでドラマ化されるらしい。
 どんなドラマになるのか、怪物のどんな映像が見られるのか、そちらの方に興味が湧く。



◇文藝別冊『総特集「俵万智」史上最強の三十一文字』を買う
 7月6日の新聞で、この文藝別冊の特集を知った。
 「『サラダ記念日』愛されて30年」のタイトルで、俵万智さんを取り上げていた。 
 彼女の歌で誰もが知っている超代表作
     この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日 
 この歌にちなんでの7月6日の新聞記事だった。
        

 特集冒頭の「新作」には、こんな歌が載っている。

     ポストまで朝の散歩をしておればカバン持つ人みな急ぎ足
     インスタの桜が騒ぐ幾つもの「いいね」の中に君を見つけて
     別れ来し男たちとの人生の「もし」どれもよし我が「ラ・ラ・ランド


 こんな、俵万智らしい歌が並んでいるし、同世代歌人穂村弘さんとの対談も面白そうだし、また、高橋源一郎の「30年前も、いまも」という特別寄稿や、2003年の吉本隆明毎日新聞に書いた「俵万智論」まで再録されていて、時々、気分転換に読んでみようと思って買った。