本と映画のおしゃべり

 今日の東京は、午後になると曇りになって、夕方は冷たい粉雪が時折ちらつく寒い日だった。
 西日本では、大雪警報が出ている。
 明日は、三重県へ出張だ。雪がちょっと心配。
 今夜は少し時間があるので、今週読んだ本と、先週末に観た映画についてのおしゃべりをしたい。


◇本城雅人著『紙の城』
 友人のフリーライターのTさんは、警察小説や企業小説などをよく読んでいる。
 先日、「面白いから読んでみたら」と持ってきてくれた単行本6冊と文庫本1冊。
 その中から、本城雅人さんが書いた『紙の城』を、ます読んでみた。
       
 内容は、発行部数が200万部の全国紙の新聞社が、新興IT企業に買収されようとして、それを、記者達が阻止する内容なのだが、そのストリー展開にも興味があったが、ネット社会が進む中で、確実に退潮傾向にある紙媒体の新聞は、将来どうなるのか、という課題に興味を持って読んだ。
 僕も毎月、会の新聞を編集し発行している。
 僕自身にも、紙媒体をどのようにデジタル媒体に移行するかは、日頃考えているテーマである。
 本書に出てくる紙媒体の既存新聞の弱点と、しかしながら捨てがたい強み。
 それらを考えさせられながら、時には納得して、読んでしまった。
 また、日頃読んでいる新聞に、宅配制度での販売店の実情、特派員体制の意義、支局員のローテーション、新聞各社の協定など、長年積み重ねられ確立した独自の世界があることも興味を持って読んだ。


◇映画『島々清しゃ』
 僕はこの映画を、「島々清しゃ(しまじまかいしゃ)」という題名と、舞台が沖縄の慶良間諸島というので、観たいと思っていた。
 先週末の夜に、新宿の映画館「テアトル新宿」に寄って観賞。
          
 監督は、故新藤兼人監督の孫の新藤風さん。
 主演は安藤サクラと、子役の伊東蒼。
 耳が良すぎて、少しでも音のズレを感じると頭痛がしてしまう少女・うみ(伊東蒼)と、島で開催されるコンサートのためにやってきたヴァイオリニストの裕子(安藤サクラ)。
 耳のせいで変わり者扱いされている少女が、裕子に出会えて、吹奏楽部に入ってフルートを練習しながら、少しずつ閉ざしていた自分自身の殻を破って、演奏部の子供達と溶け合って成長していく物語。
 少女・うみと一緒に暮らす、おじいが奏でる三線の音色と島唄
 訳あって少女と島で暮らせない母親が那覇で練習する琉球舞踊。
 そして、清らかで美しい浜辺と、沖縄の方言と、島独特の雰囲気。
 十分に、沖縄を満喫できる映画だった。