東京は暫くぶりの雨

 今日は、暫くぶりに本格的な冷たい雨が、朝から夕方まで降る。
 こんな雨の日は、今年初めてである。
 これで、カラカラの乾燥もちょっとは緩和されて、インフルエンザの流行に文字通り水(雨)を差すだろう。
 

◇会の新聞「けんさん」2月号が届く
 三重県の印刷屋さんから、会の新聞「けんさん」2月号が、印刷が上がって東京に届いた。

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 明後日、全国の会員宅へ発送作業をする。
 今日は、その準備作業。

 

桐野夏生著『メタボラ』を読む
 約600ページの分厚い単行本『 メタボラ 』をやっと読み終わった。
 「やっと」と表現したが、実際は、読み出したら先が気になって、通勤電車の中ではもとより、いつも観ているテレビドラマもやめて読んだと言った感じ。

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 内容は、ネット集団自殺未遂から記憶を失った香月雄太(記憶喪失後は磯村ギンジ)と、宮古島の市会議員の息子の伊良部昭光。この2人の若者の生き様が交差しながら、限りなく破滅へと向かっていく物語だった。
 そして物語では、格差社会ワーキングプアドメスティックバイオレンス等々、重い重い社会問題が、2人の若者とその周辺で生きる人間の日常的な出来事として描かれている。
 更に、物語が沖縄を舞台としているので、ナイチャー(本土出身者)とウチナー(沖縄出身者)の複雑な心情、米軍基地問題の温度差までもが絡み合って、物語は展開する。
 そんなことで、破滅へと向かって展開する2人の若者の人生に、ハラハラしながらも、その成り行きが気になって、次のページをめくりたくなる。
 桐野夏生という作家は、こんな重い重い社会の闇を描きながらも、読者を惹きつける筆力をもった作家だった。