高田馬場に『つまみかんざし博物館』があることを知ったのは、つい先日のこと。
それも、高田馬場駅からというか、案内所からも、なんと歩いて5分ほどの所だ。
このパンフレットは帰りにいただいたものだが、博物館があることを知ったときにネットで調べたら、休館日が日、月、木、金と書いてある。
えぇ〜、それじゃ開館日は水曜と土曜日なんだと思って、今日訪ねたら、博物館は細い路地を入ったマンションの4階、石田健次さんという職人さんの自宅玄関だった。
「つまみ簪(かんざし)」は、薄い小さな絹のキレをピンセットでつまんで作られる江戸の伝統工芸品だ。
七五三や成人式の着物姿の髪に刺す装飾品の「かんざし」。
実は、前に読んだ三浦しをんの『政と源』という小説で、つまみ簪とその職人の世界を僕は始めて知った。
この小説には「政」と「源」という2人の主人公が登場するのだが、その一人・源二郎が、つまみ簪職人なのだ。
その時から、江戸の伝統技術「つまみ簪・職人」の世界というか「つまみ簪」のことが頭に残っていた。
階段を上がって4階の、個人の表札と『つまみかんざし博物館』というプレートが貼ってあるドアを開けると、石田健次さん本人が迎えてくれた。
「博物館と言っても、ミニ博物館ですから、ここだけです。どうぞみて下さい。」と言って、いろいろと説明してくれた。
今から200年ほど昔の江戸時代に、髪飾りとして「つまみかんざし」は生まれたそうだ。
なんと「つまみかんざし」の職人さんは、今や日本全国に10人もいないのだそうだ。 石田さんは、3代目の職人さんだと言っていた。
小さな絹のキレを、ピンセットでつまみながら形にしては糊付けをするのだそうだ。
出来上がった作品の精巧な細工に驚くし、その出来映えは感動ものだ。
帰りに、写真の「つまみ簪」のパーツを記念にいただいた。
こんな伝統工芸技術を継承していることに、僕は感動する。