江戸の文化「浮世絵」のおしゃべり

 今日は、晴れていたが、風の冷たい一日だった。
 陽ざしには春を感じるのだが、まだまだといった感じ。
 会の機関紙「けんさん・3月号」が、今朝、印刷屋さんから送られてきた。
 カネミツさんにお願いしていた5月の「春まつり・ハガキ」も完成して昨日届いた。
            
 明日、全国の会員宅に発送、今日はその準備を事務局のみんなとする。


 今夜は、「浮世絵」についてのおしゃべりをしてみたい。
 
◇浮世絵って凄いと思う
 昨夜、NHKテレビの「歴史秘話ヒストリア」で、江戸時代後期の浮世絵師・喜多川歌麿の肉筆画「深川の雪」について放映していた。
 先週、僕は、車浮代著『蔦重の教え』を読み終わったところだったのと、以前に島田荘一が書いた『閉じた国の幻・写楽』を読んたことがあって、浮世絵についてや、それらの作者の歌麿写楽について、ちょっと好奇心があったので、昨夜の放送は興味津々で観た。
 それにしても「江戸の文化とは、凄いものだ。」というのが観ての感想。


喜多川歌麿の『深川の雪』
 この歌麿の「深川の雪」は、最近、発見されたのだと言う。
 縦2メートル、横3メートル余りという巨大な掛け軸の肉筆浮世絵で27人の遊女や芸者が極彩色で描かれている。
 「深川の雪」は、「品川の月」「吉原の花」とで雪月花3部作になっていて、明治半ばにフランスに流出。「品川の月」「吉原の花」は、さらにアメリカに流れたが「深川の雪」だけが日本に戻って約60年間も行方不明で、古い白黒写真しか残っていなかったらしい。
 鮮やかな色彩と巧みな構図で、歌麿が晩年に到達した究極の美人画と言われる。
 半年かけて修復された絵の画像を、テレビではたっぷりと流してくれたが、凄い絵だなって思った。
 それも、これらの浮世絵を、歌麿は江戸ではなく、栃木市で描いたというのが面白い。
 つまり、当時は、歌麿の浮世絵は幕府にいつ逮捕されてもおかしくない危うさと背中合わせだったのだという。
 浮世絵の版元で有名な蔦屋重三郎だって、身代半分を没収されたというから、反社会的な風俗絵という位置づけだったのだろう。
 この「深川の雪」は、4月から箱根・岡田美術館で公開されるらしいし、「品川の月」「吉原の花」の原寸大複製画は、栃木市役所に展示してあるので、一度、観に行きたいものだと思った。
 それにしても、浮世絵という絵画の完成度の高さは凄いと思う。
 写真は、歌麿作品で有名な「寛政三美人」
             


◇車浮代著『蔦重の教え』(飛鳥新社
 新聞の書籍広告で、「蔦重」という文字が目にとまって興味を持った単行本。
 なかなか面白いストーリーで、江戸時代の様子や浮世絵のことが描かれていて、楽しく読んだ。
 55歳で依願退職を強要された主人公が、ヤケ酒を飲み、お稲荷さんの鳥居に立ちションをして、お稲荷さんの怒りを買い、タイムスリップして迷い込んだのは江戸時代。
 主人公は、「写楽」や「歌麿」を育てた浮世絵版元の蔦屋重三郎(蔦重)に助けられ、23歳の青年に若返った状態で絵師たち(歌麿など)と親交を重ね、蔦重に人生の極意を教えられる。
 最後は、現代に戻ってきて、江戸で経験し蔦重に教えられたことを基に、会社を退職して第2の人生を歩む。
 その結末が、爽やかに描かれていて読み終わった後味が実に言い。