短歌についてのおしゃべり

 昨夜、三重県の豊里実顕地にいる長男の嫁からメールをもらった。
 その内容は、
 「父の短歌が、今日の朝日新聞に載っているそうです。私もまだ見てないのですが、お知らせまで…」というもの。
 メールに気づいたのは、深夜の12時近く、もう今日は寝ようと思ってパソコンを閉じたとき。
 早速、夜中のロビーに行って新聞を広げる。
          
 嫁のお父さんは、昨年までは和歌山県の六川実顕地にいたのだが、今は三重の春日山実顕地にいる。
 職場は養豚部だ。
 そして、知る人ぞ知る〝歌詠み人〟なのである。
 昔から、新聞や雑誌の『歌壇』などに投稿しては、度々、入選している。
 今回、2013年9月30日・朝日新聞の『朝日歌壇』に載った歌は。


    樫の実のトタンの屋根に落ちる音十一匹目の子豚が生まる
    
    勝手な僕の解釈 
      子豚が生まれるその成り行きを、ワクワクしたり、
      ちょっと心配しながら見守っている豚飼い人が一人。
      その静寂の中に、〝ぽとん〟と、トタン屋根を打つ音。
      ドングリが樫の木から放たれ、そして同時に、新たな命としての子豚の誕生。
      豚舎で一人安堵する豚飼い人の心情。

 短歌の世界に、僕は造詣が深いわけではないが、詠み人の心情が鮮明にイメージとして浮かんでくる。
 実に、いい歌であると、僕は唸ってしまった。


◇今日から10月がスタートだ。
 生活館のロビー入口に、チエコちゃんがススキを活けてくれた。
 僕は勝手に、僕の心の中で〝秋〟とタイトルを付けた。
      


 僕の部屋に掛けてある2ヵ月めくりの今年のカレンダーも、薄くなっている。
 「季節のうた」と題したカレンダー。
 オレンジを基調とした秋の夕暮。はり絵「夕陽長閑」と書かれている。
 なんとも、心引きつける絵だと思って、〝秋〟を僕はこの絵に感じて和んでいる。