4月3日のおしゃべり

 昨日、今日と、強い雨と風。
 満開の桜から落ちた花びらが、歩道を白く彩っていたが、それさえもきれいに流すほどの雨足だった。

◇今朝の朝日新聞トップ
 このような記事が、朝日新聞の1面トップを飾るのは珍しいと思う。
       

 大きなタイトルは『父は温め歌ってくれた』
 リードで『猛吹雪の中、自らの命を賭して少女の体を温め続けた父は童謡「サッちゃん」の替え歌を歌って、少女を励まそうとしていた。北海道で9人が命を落とした3月2〜3日の暴風雪被害から1カ月。少女が「お父さん」との最期の時間を語った。』と書かれていた。
 
 1ヵ月前の北海道を襲った暴風雪の中で、自分の命と引き替えに9歳の娘を救ったニュースに接したときには、大きな衝撃と、子を思う親の無償の愛に強く感動したけれども、再び、それを思い出す、そんな記事だ。
 1ヵ月前の記事を読んだときには、ちょうど重松清の『とんび』を読んでいるときで、親の愛についていろいろと考えさせられていた時だったし、それとも重なった。
 この記事によると、
 妻を亡くしてから、男手ひとつで娘を育てていた男。
 酒に酔うといつも歌って聞かせてくれた童謡が「サッちゃん」の替え歌だったという。
 酒に酔いながら、娘の名前の「ナッちゃん」に替えて、童謡を歌う不器用な男(たぶん)の姿をイメージしただけで、それは涙腺を刺激する。
 さらに、その替え歌の童謡を、寒さに凍えながらも娘を温め続け、意識の遠のくときにも父は歌っていたと、娘は語っている。
 もう、理屈抜きに、胸が熱くなる。
 

◇会の機関紙「けんさん」4月号
 先週から編集作業をしていた「けんさん」4月号の校正が終わった。
 今号は、ヤマギシについて書かれた村岡到さんの新刊『ユートピアの模索−ヤマギシ会の到達点』の紹介を1面に載せた。
       

 僕は、その紹介文の最後に、次のように書かせてもらった。
 ─ 村岡さんは著書の第9章「ユートピア建設の課題と困難」の中で、ヤマギシ会が試み実践している幸福社会を、各方面から検証し、最後に「ヤマギシ会は、日本における〈ユートピア〉の希有で先駆的な実践例だと、私は考える。」と述べ、さらに、刊行直前の2月に豊里実顕地と春日山実顕地で行われた交流会では「あなた方自身が創り上げているこの実顕地、社会というものをもっとはっきりと、自分たちが何をやっているのか、どういう点で新しいものを目指しているのか、みんなが夫々の立場できちんと述べ、社会に向かってもっと明らかにして、大きく羽ばたいていくことが、今こういう生活をしている人の責任、やらなければいけないことだ。そうあって欲しい。」と私たちに投げかけられた。
 この村岡さんの検証・考察、そして投げかけを、私たちは謙虚に受け止め、これからの運動の糧としたいと思う。─

 今日、校正が終わった4月号は、明日に印刷され、来週月曜日には全国の会員宅に発送予定だ。