「NHK短歌」にゲストで加藤登紀子さんが

 日曜日の朝6時からNHK教育テレビで「NHK短歌」という番組がある。
 5時から「こころの時代」という番組を観ているので、その後、続けて観ることがある。

加藤登紀子さんの『命結(ぬちゆい)』
 昨日の日曜日の「NHK短歌」のゲストは歌手の加藤登紀子さんだった。
 珍しいゲストだなと思って観ていたら、最初に加藤さんが昨年、作詞、作曲した歌『命結』が紹介されていた。
 昨年9月に発売された最新のアルバムで、福島第一原発の事故で全村避難になった福島県飯館村を5月に訪れた時に作った曲だと言っていた。
 メリディーも流れていて、心に残っていたのでYouTubeで探して聞いた。
  はなれても 忘れない
  美しいこの ふるさと
  山に咲く しどけの花
  春を呼ぶ つくしの河原
 この様な歌詞と加藤登紀子らしい旋律なのだが、歌詞を引用するのも著作権に触れるらしいので、ここでの引用はこれくらいにする。ぜひ、YouTubeで検索して一度聞くことをお勧めする。
 命結(ぬちゆい)とは沖縄の言葉で命のつながりで、歌詞の最後に出てくる〝までいのいのち咲かそ〟の「までい(真手)」は、東北地方の方言で「まごころのこもった手」という意味らしい。
 蛇足になるが、歌詞の中に出てくる「しどけの花」という「しどけ」は山菜で、子どもの頃、おひたしで僕もよく口にして、あの独特の香りとほろ苦い味が懐かしく思い出される。
         

 皮肉にも、この歌を知った昨日の夜のニュースでは
 政府が発表した福島第1原発事故で福島県内に放出された放射性物質の20年後までの年間空間線量率の予測図を報道していた。
 それによると、原発が立地する大熊町双葉町などは20年後でも居住が制限される帰還困難区域(年間被ばく線量50ミリシーベルト超)で、浪江町葛尾村では居住制限区域(同50ミリシーベルト以下20ミリシーベルト超)なのだという。
 僕も福島県を「ふるさと」としているのだが、該当する浜通りの同胞たちの心情を思うと心が痛む。
            
 

◇特選3首の一つ 
 毎週、番組の始めに「今週の特選歌」が紹介されるのだが、今週選ばれた中で、僕は三席に選ばれたこの歌が心に残った。

  では最後に「遺伝子組み換え人間でない」のところの「はい」にチェックを

 なんと大胆な短歌だろう。
 将来は、アンケート記入項目に、このようなことも入る時代が訪れるのだろうかと思うのと、こんなテーマが短歌になるというのが驚きだった。