書店に寄ったら、
先日亡くなった吉本隆明氏・追悼コーナーが正面に設けられていた。
並んでいる著書を眺めていたら、『老いの幸福論』というタイトルが目にとまった。
このような本もあったのかと手に取ってめくってみると、
目次には、
「こきざみの幸福に気づく・・超・老齢化社会への心構え」とか、「知識より叡智が大事・・吉本隆明流・老年からの勉強法」「ガタがきた体とつき合う・・老齢期に入ってからの健康法」とか、「死を迎える心の準備なんてない・・死を語ることの無駄について」などと書かれている。
なかなか興味を覚える内容ではないか。
さらに、表紙カバー内側には、
『僕が自分で考えて、こういうふうにやってごまかしておこうか、まあこれでいいことにするか、というふうにできるだけ心がけていることがひとつだけあります。それは、つらいとか苦しいとか、あるいは逆に今日は調子がいいとか、いいことがあったとかいう、禍福といいましょうか、幸・不幸といいましょうか、それを長い周期で考えないようにすることです。超・老齢期のただ中にある著者が、「老い」や「死」、「家族」や「教育」の問題について縦横に語り尽くした、初の幸福論。』と記されている。
そんなことで、吉本隆明の追悼の意味も込めて読んでみようかとレジに向かう。
そういえば、僕が最近注目している思想家であり武道家の内田樹氏は『司馬遼太郎は日本の「国民作家」であり、吉本隆明は日本の「国民思想家」である』と書いている。
「国民思想家」が語る「老いの幸福論」。
ゆっくりページをめくり始めてみよう。