三重の出張から東京に戻る

◇予定より1日早く東京に戻る
 金曜日に予定していた研鑽会を1日前倒しで開催することが出来たので、木曜日中に三重での仕事が終わった。それで昨夜、豊里実顕地を8時前に帰途につき、我が家・多摩実顕地に深夜1時過ぎに着いた。風呂に入って床に就いたが、昨夜は珍しくなかなか寝付けなかった。
 そんなことで、今日はちょっと寝不足感の1日だった。


◇帰宅の電車で『共食い』を読む
 広告代理店のKさんが今日発売の「文藝春秋」3月号をわざわざ届けてくれた。
 今月号は芥川賞の2作が掲載されているのを、今朝の新聞で知っていた。
 Kさんは「ブログに直木賞の本を買ったと書いてあったので、芥川賞の方も読むかなと思って・・・」と持ってきてくれたのだ。
       
 その芥川賞の1つ『共食い』を帰宅の電車の中で読んだ。
 『共食い』は、あの「・・都知事閣下と都民各位のために、もらっといてやる」と記者会見で発言し、話題となった田中慎弥氏の作品である。
 この作品、人間の暗い部分というか、愚かな人間の悲しい性(さが)というか、そんなテーマを描いているようだが、読書中も僕は「むなしさ」のようなものを感じつつ、読後もそれが残り、この作品のテーマの斬新さを感じる読解力が僕にはなかった。
 選考委員の一人・宮本輝氏は「生理的に受け付けることができなかった」と書いているが、何となく僕も同感である。
 若い時分と違って、今の僕には、芥川賞作品のテーマの重さはきつくなったのかも知れない。読後はやっぱり後味がいい作品の方が好きだ。最近は特にそう思う。