松陰神社を参拝して芝居を観る

 我が家・多摩実顕地の近所に俳優の側見民雄さんが住んでいる。
 側見さんは以前に多摩供給所でアルバイトをしていたことがあるし、僕が帰宅時に町田駅から夜10時台のバスに乗ると時々あって会話も交わす。
 側見さんは時々TVにも出るし、いまは俳優養成の先生もやっていると聞く。
 その「側見さんが主演の芝居が世田谷であるので観に行こう」と、2週間前に妻に誘われて、今日の午後出かけた。

松陰神社
 実は、誘われたときに劇場の場所を検索したら、東急世田谷線の「松陰神社前」下車とあった。 あの有名な吉田松陰が祀られている神社があるところである。一度は行って見たいと思っていたところだ。
 そんなことで、芝居が始まる2時間前に駅に降り立って、「松陰神社」に行って見た。
    
 吉田松陰安政の大獄連座し、江戸伝馬町の獄中で30歳の若さで亡くなった。その4年後に門下生であった高杉晋作伊藤博文などによって、この世田谷若林の地に改葬されたのだそうだ。そして、明治15年に社を築いて松陰神社になったらしい。
    

 吉田松陰の墓碑。
    

 松陰の銅像や、門下生の伊藤博文より奉献された石燈籠などもある。
      

 本殿横には、山口県萩の松陰神社境内に保存されている松下村塾を模したものもある。
    
    
 
 秋晴れの今日は、七五三のお参りをする家族連れが何組もいて記念写真を撮っていた。


◇側見さんの芝居
 今回、側見さんが主演を演じた芝居は「大逆の影」というタイトル。
         

 明治43年の幸徳秋水など社会主義者たちが、明治天皇暗殺計画の容疑で逮捕、26名が大逆罪で起訴され、幸徳ら12名が死刑となった大逆事件を背景としたもので、幸徳らとともに死刑となった紀州新宮市の医師(幸徳の友人)と、その家族や仲間たちの苦悩の物語だった。
 側見さんは、その医師役を演じていた。
 明治という近代国家を目指す社会背景の中での「大逆罪」という重いテーマで「こんなテーマを今でも演じている演劇があるんだなあ」と感心しつつも、よく解らないまま終わってしまったが、側見さんの演技には迫力があった。

 そんなことで、「勤労感謝の日」の今日は、幕末の思想家・教育者の吉田松陰と、明治時代の社会背景を考える一日だった。