M大学生のヤマギシの村参観の感想

 突然、M大学の学生・S君が訪ねてきた。
 彼は、11月の中旬に三重県ヤマギシの村・豊里実顕地と春日山実顕地を参観した学生だ。「なかなか就職が決まらなくて、報告に来られませんでした。現地では息子さん夫妻に大変お世話になりました」と、参観の時に写したという息子夫婦の写真を持ってきてくれた。
 彼は、経済学部の学生だが、色々な団体や共同体と言われているような組織に興味を持ち、訪ね歩いている学生だ。

 彼は、実際にヤマギシの村を参観して、驚くことばかりだったらしい。彼の抱いていたイメージは、毛沢東時代の中国にあった「人民公社」や旧ソ連時代に存在した「コルホーズ」の様な組織で「皆で同じ服を着て、同じ食事を食べる。その一方で極端な平等主義による家族的、個人的な人間関係が否定され、組織が介入する。労働は一方的な命令により行われ、ノルマ制度による成果管理が行われている」この程度のイメージだったと素直に話す。今時まだ、こんなイメージを持つのかとこちらが驚く。
 ところが、「皆さんが携帯電話を持っていること、購読されている雑誌、新聞などが非常に多く外の情報を共有していらっしゃる姿をみて誤解であったことが分かりました」と、さらに「政治結社や宗教組織などは組織拡大が最大目標の場合であることも多く、ヤマギシ会に参観する際にも勧誘されるかな?と思っていました。まったく勧誘を受けなかったことは意外でした。他ではしつこい勧誘で不快な気分になったこともありましたが、勧誘がまったく無かったことでヤマギシ会に対して爽やかなイメージを抱きました」と感想を言っていた。
 帰り際に「食事が美味しかったですね。それと、本当の事いうと、ヤマギシに入ってくる人は、世捨て人というか、今の社会に疲れて晴耕雨読な暮らしを望んでいる人かと思ったけど、第一線で働いていた人が多く、社会を変えるとか、意欲的な人がいたのにも驚きです」と言っていた。