映画『武士の家計簿』をみる

 妻に誘われて映画『武士の家計簿』をみる。
 先週末に封切りされた映画で、かなり以前に原作を読んだこともあり、妻と意見が一致しての久々の映画観賞である。
 堺雅人仲間由紀恵松坂慶子、西村雅彦、中村雅俊などの、味のある演技が楽しめたし、内容もまた楽しむことができた。

 加賀藩の御算用者(会計処理の専門家)の猪山家八代目・直之(堺雅人)の物語である。武士というイメージは武術と直結するが、彼は同僚からも“算盤バカ”と言われる真面目な経理職の武士。江戸時代も後半、加賀百万石も財政危機。武士は食わねど高楊枝と言うが、世間体を気にして武家も出費が増え、借金が増え続ける。そんな我が家の状況に危機感を感じて彼は、家財道具を処分し、借金の返済にあてることを決断。倹約生活を実行する物語である。

 日本の国でも、国債の発行額が予算編成のたびに「未来の子供たちに借金を押しつけるのか」と話題になる。彼の頑固一徹ともいえる考え方と実行、少しは見習う必要がある。また、子供に対しての父親としての子への対峙する姿がいい。拾ったお金で任されていた家計のやりくりにつじつま合わせた幼い息子に、武士のやることではないと、お金を拾った所に戻すように叱り、夜中に行かせるなど、父親として子供を教育する上で譲れない一線を貫徹する態度にも考えさせられるものがある。

 人にも勧めたい「一押し」の映画である。
  
 妻と約束して待ち合わせた京王相模原線の南大沢駅。時間ぎりぎりに飛び込んだTOHOCINEMA館。いい席が取れないだろうと心配して入ったが、何と客席は数人だけの観客。最終的には9人の入りだった。
写真は夜の南大沢駅。写真中央の建物が駅に隣接するTOHOCINEMA館。