映画『Dr.コトー診療所』を観る

 映画Dr.コトー診療所が先週末から公開されている。
 この『Dr.コトー診療所』はテレビドラマとして、2003年に1期シリーズで放映され、2004年に2つの特別編、2006年に2期シリーズで打ち切られていた感動のドラマだ。
 我が家の本棚にも、漫画本としては唯一、この『Dr.コトー診療所』という山田貴敏の漫画本が1巻から24巻まで納められている。
 この漫画本は妻が揃えて、今でも手放さずに保管されている。

    

 この物語は、沖縄本島から遠く離れ、台湾までは100Km程という絶海の離島・志木那島を舞台としたもので、離島医療の過酷な現実に苦悩しながらも、島で暮らす人々の命と心に向き合う外科医・五島健助(Dr.コトー)の姿に、夫婦で感動して観た記憶がある。

 妻は、それで原作となった山田貴敏の漫画本を揃えたのだ。

 このDr.コトー診療所』の続編物語が、16年ぶりで映画として公開。妻は早速、日曜日の朝に観に行ったのだが、僕はファーム町田店が休みの昨日に観てきた。

    

 20年前に志木那島診療所に赴任してきた若い医師・五島健助(吉岡秀隆)も白髪の医師に。

 そして五島医師と診療所を看護師として支えいていた彩佳(柴咲コウ)は、五島と結婚してお腹に2人の子を宿し、島中を巡回診療に乗っている自転車は、昔は足こぎ自転車からバッテリー突きの電動自転車に変わって物語は始まる。

 なんと言っても、昔のドラマを甦らせてくれるのが、時任三郎、大塚寧々、大森南朋朝加真由美泉谷しげる筧利夫小林薫、そして俳優業を引退していたがこの映画のためだけに復帰した富岡涼など、おなじみのキャストが、時の流れを感じされる、それなりの顔や姿で登場しているのがいい。

    

 そんな昔のTVドラマの感動を甦らせながら観たのだが、今回の映画『Dr.コトー診療所』は、島民の高齢化の中で、1人医師により、その医師の献身的な行為でもって成り立っている離島医療の問題や過酷な現実と、登場人物のその後の思いがけない出来事を、これでもか、これでもかと、ちょっとてんこ盛りに織り込む内容の映画になっていた。
 でも、TVドラマで、南海の離島の自然と、島民の人情味あふれる絆に感動した人には、それを十分甦らせてくれる映画であるし、『Dr.コトー診療所』のその後が、ちょっと気になっていた僕には、観て満足できる映画だった。