渋谷にドキュメンタリー映画の試写会に行く

 知人のテレビディレクター・信友さんから、昨年の末に「父も101歳の誕生日を迎えました。映画の続編も出来ましたので、マスコミ向け試写会の招待状を送るので観てください。」とメールをもらっていた。

 信友さんが認知症となった母を撮影し続けたドキュメンタリー映画 『 ぼけますから、よろしくお願いします。』は、2018年の公開以来、映画館で約10万人、自主上映会で約10万人が観たというドキュメンタリー映画としては異例のヒット。老々介護という現代社会の問題をテーマに含んだこの映画は、令和元年度文化庁映画賞、文化記録映画大賞を受賞し、TVでも特集番組で取り上げられるなど、高い評価を得たドキュメンタリー映画だ。

 2018年9月にその試写会を観た渋谷の映画学校試写室で、今回の続編も試写会が行われているので行って観てきた。
 前作の『 ぼけますから、よろしくお願いします。』試写会の感想は下記ブログに書いている。
  https://naozi.hatenablog.com/entry/20180902/1535880958

 

 続編である今回のタイトルは『ぼけますから、よろしくお願いします。おかえり お母さん』

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 信友さんは前作の映画公開後も、広島県呉市で暮らす90代の両親のもとに東京から度々通い続けて、両親の暮らしを撮り続けていた。(その様子はTVでも何度か放映)
 お母さんの認知症は進行し、ついに脳梗塞を発症。
 入院したお母さんに面会するため、お父さんは毎日1時間かけて病院へ通い、いつかお母さんが帰ってくる時のためにと98歳にして筋トレを始め、「入院している妻をおいてワシが死ぬわけにはいかない」と、鼠経(そけい)ヘルニアの手術までする。
 一時は歩けるまでに回復したお母さんだったが、再度、新たな脳梗塞を発症。
 2020年3月、新型コロナウイルスが拡大し、病院の面会すら困難な状況となり、そして6月、お父さんは99歳で60年連れ添った恋女房と別れの時がくる。お母さん享年91歳。お父さんは「いい女房でした。あの世に行っても仲良く暮らそうや」と声をかける。

 妻のためにやったことのない家事をやり、回復して家に帰ってくる望みを捨てず、あきらめず奮闘するお父さんの姿を、信友さんは家族として、娘として、温かい眼差しで撮り続け、現代の社会が抱える高齢化の問題、認知症とともに生きることの大変さや家族の苦労を、「生きるという希望」の視点をテーマに「夫婦愛・家族愛の姿」でとらえた作品となっている。

 現在、お父さんは101歳。お母さんと一緒に食べたかった好きなハンバーグを、ファミレスで完食する元気な映像が最後に流れる。

 僕は観終わったときに「こんな生き方ができたらいいなあ~」と、なぜかホッと心温まる感動が湧いてきた。そんな作品だった。


 この映画は、3月25日から一般劇場で公開だ。
 今回も多くの人に感動をもたらすだろう。


 暫くぶりで行った渋谷。帰りに記念にハチ公をパチリと。

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