今日で2月も終わり、明日は3月だ。
今日の東京の天気は、朝から冷たい雨で肌寒かった。
一日、事務所で会の新聞「けんさん」の、先日、取材した記事の原稿作り。
先ほど、何とか原稿が書き上がったので、今日のブログは、先日観たドキュメンタリー映画の紹介をしよう。
◇ドキュメンタリー映画『 盆唄 』
同郷の福島県の知人から「ぜひ、観て!」という案内が届いたので、先日、帰宅時に新宿に寄って観たのがドキュメンタリー映画の『 盆唄 』。
東日本大震災によって帰宅困難地域となった福島県双葉町の人たちのドキュメントだった。
散り散りに避難先での生活を送り4年。
先祖代々守り続けていた伝統「双葉盆唄」消滅の危機にひそかに胸を痛めていた。
そんな中、100年以上前に福島からハワイに移住した人々が「フクシマオンド」という盆踊りを、今でも続けていることを被災地を撮る女性カメラマンから知らされる。
ここでは途絶えようとしている「盆唄」を、ハワイの日系人の人に披露したら、後世に残してくれるのではないかと「盆唄」を愛する数人が、ハワイ・マウイ島へと向かう。
そこでは、今の日本では見かけられないほど盛んな盆踊り「BON DANCE」があり、熱狂的に踊る日系の人たちに出会う。
その人たちに、歌や笛を指導し、踊りを指導し、「BON DANCE」で一緒に踊って「双葉盆唄」を披露する。
この福島県双葉町の「盆唄」も、そのルーツを調べたら、天明の大飢饉の時に越中富山から移民してきた人々が、この地に受け入れられて続いてきたものだと知る。
ハワイに移民した人々の「よそ者」としての苦難、富山から移民してきた人々の「よそ者」としての苦難。その中で踊り続けてきた「盆唄と盆踊り」。
移民の人たちの苦難とは? 盆踊りとは? そして人々にとって盆唄とは何か?
福島県双葉町の人たちが、それらを問い続け、約200年におよぶ歴史を遡るダイナミックなドキュメンタリー映画だった。
終盤の、避難仮住宅の広場で、双葉町の各地区の盆踊り保存会の人たちが、「胸躍る、血騒ぐ、盆踊り共演大会」を開催する。
「ご先祖さま、震災で亡くなられたみなさま、一緒に踊って下さい」と、盆踊り大会は始まる。
各地域に伝わっていた盆踊りの映像と、無人となって荒れ果てながら静かにたたずむその地の映像が、交差しながらスクリーンに流れる。
その映像に、感動的な胸迫るものを感じながら、原発のことも含めて、いろいろなテーマを考えさせられた。