夕方、帰宅時に小田急線の祖師ヶ谷大蔵駅で途中下車して、GALLERY TAGA2という美術館で開催している「安藤榮作 Dedicated to 3.11」という作品展を観賞。
この作品展は、ファーム町田店の店内で時々、ヴァイオリン演奏をしてくれている音楽家のナガイさんの紹介。
彫刻家・安藤榮作さんは、福島県いわき市の海沿いに住んでいて、東日本大震災の津波で自宅を流された被災者ということなので、どんな作品展だろうかと行ってみた。
小田急線の祖師ヶ谷大蔵駅で降りて、ウルトラマン商店街を5分ほど歩いて、右折した住宅街の一角に建つ、小規模の美術館。
会場には、安藤さんの丸太を手斧で叩いて刻む技法の作品と、墨一色の独特な線画・ドローイングの作品が展示してあった。
パンフレットに書かれている安藤さんの言葉
「毎年3月はどうしたって東日本大震災と福島原発事故のことを考えずにいられない。
いや正直に言えば、津波と原発事故で被災し避難移住した僕は、あの日以来9年間、1日たりとも震災のことを思わなかった日はない。2011年3月11日から3千285日、ご飯を食べたり洗濯したりと同じように日に何度も震災に想いをはせるのは日常だったし今もそうだ。
いつの間にか震災と原発事故は自分自身を構築している大切な柱の一つになり、作家活動もそれなしにはリアリティーを感じられなくなってしまった。」
津波で自宅を流されたとき、安藤さん家族は不在だったが、愛犬「ユイ」と作品群を失ったという。
なんとも、風化しかけている東日本大震災と福島原発事故の何かを訴える、安藤さんの心情が作品に漲っている、心に迫る作品群だった。