縄文時代がおもしろい

縄文土器にコクゾウムシが練り込まれていた

 先日は、「福島県南相馬市の鷺内(さぎうち)遺跡で、縄文時代晩期中ごろ(約3千年前)の貯蔵穴から、クルミが大量に詰まった編みかごが見つかった。」という記事が載っていたが、今度は、「北海道渡島管内福島町の館崎遺跡から出土した縄文時代後期の土器に、穀物などの害虫・コクゾウムシ(体長約4ミリ)が推定約500匹が練り込まれていた。」というニュースが新聞に載っていた。
     
 この虫が交じった土器はこれまでも見つかっているが、今回は数が多いため、熊本大の小畑教授(植物考古学)は、縄文人が食物にしていたクリの豊作祈願などのために意図的に混ぜたと推測しているらしい。
 縄文人に対して、興味深いニュースだ。
 小畑教授は「縄文人にとって土器は『再生』の意味を持つ。クリに湧くコクゾウムシを害虫ではなくクリの化身と考え、実のかわりに練り込み、豊穣を祈願したのでは」と記事にはあって、さらに、クリはもともと北海道に自生しておらず、三内丸山遺跡(青森)などから運ばれる際に、コクゾウムシも紛れ込んだとみていて、北海道埋蔵文化財センターの長沼孝常務理事は「道内最大規模の集落が見つかった館崎遺跡が、海を越えて北東北と交流していたことを実証する発見だ」とも載っていた。
 縄文の時代って、どんな時代だったのかろうか?
 ますます興味が湧く話題だ。