門井慶喜著『 家康、江戸を建てる 』を読む

 門井慶喜さんの『 家康、江戸を建てる 』は、以前に直木賞候補になっていたので、読みたいとは思っていたが、文庫化されてから読んでもいいかと思って買わないでいた。
 先日、時間があったのでBOOKOFFを覗いていたら、それを発見。
 なんと560円也。早速、買って読み始めた。
         
 内容は、
 天正18年(1590年)夏、小田原攻めの最中に、秀吉から関東八州の国替えを命じられ、家康は家臣の反対を押しきり、家康の命に応じる。
 その地は、湿地が広がる未開の地。
 その地・江戸を、如何にして一大都市へと開発するための基礎をつくったか。
 河川の流れを変える治水工事、全国共通の貨幣鋳造、良質な水を確保する上水道整備、そして天下を統一した徳川家に相応しい江戸城建築などの話を、「流れを変える」「金貨を延べる」「飲み水を引く」「石垣を積む」「天守を起こす」の5話の構成で、その道に命を懸けて取り組む者の物語だ。
 誰かの書評に、「プロジェクトX的な現場目線の物語の魅力」とあったが、一話一話、実に面白い物語になっている。



 蛇足になるが、
 昨日、兵庫県に出張した折に、「そう言えば、僕はまだ、大阪城を見たことがない」と気付いて、帰りにちょっと道草をして大阪城に寄ってみた。
         
 『 家康、江戸を建てる 』を読んでいたので、江戸城ではないが興味を持って大阪城も見ることが出来た。
 特に、「石垣を積む」の章を読んでいたので、石垣に興味津々。
         
 こんな、108トンもあるという巨大石を、よくもここまで運んで石垣に使ったものだと暫し感嘆。
         
         
 説明文に「たこいし」とあるが、蛸の模様が浮いていた。