TV・ドラマ 『 眩(くらら)〜北斎の娘〜 』 を観る

 朝井まかての時代小説『 眩(くらら) 』が、NHKでドラマ化され、今夜、再放送されていた。
 原作となった小説は、2016年3月に刊行され、僕はその時すぐに読んだ。
 この物語は、葛飾北斎の三女・お栄こと画号を「葛飾応為」という天才浮世絵師の生涯を描いた物語だ。
 テレビドラマは、天才絵師・葛飾北斎長塚京三が演じ、その北斎の娘・お栄を宮崎あおいが演じていた。
       
 北斎の娘のお栄は、北斎に可愛がられ、幼少のころから筆を持つ。
 そして、一度は嫁いだが、嫁ぎ先から戻って、再び、北斎の下で絵を描き技術を追求する日々。
 お栄は、「この世は光と陰で出来ている。」と、その表現に西洋の陰影表現を取り入れ、色の濃淡で描き表すことに精魂を込める。
 料理をすることなど嫌いで、酒と煙草を愛して、絵の技術だけに没頭するお栄を、宮崎あおいはよく演じていた。
       
       
 原作に描かれている、お栄こと葛飾応為と父であり師匠である葛飾北斎の技術追及の葛藤や、浮世絵師たちの制作作業の様子、北斎の代表作「富嶽三十六景」や、応為の代表作「吉原格子先之図」などを描いた様子などもリアルに演じられていた。
 しかし、テレビドラマは、それはそれでよかったが、やはり、原作の朝井まかての小説を読むことをお勧めする。