「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」を観賞

 来週になると、会の新聞「けんさん」新年号の編集が、ますます忙しくなる。
 そんなことで、夕方、時間の余裕ができたので帰宅前に、上野の東京都美術館で開催中の「ゴッホ展」に寄った。
          
 夕方だったので、東京都美術館の混雑はなし。
          
          
 この展覧会のテーマは「ゴッホと日本の関係性」だ。
          
          
 展示されていたのは、ゴッホの作品約40点と、同時代の画家の作品や浮世絵など約50点。
 日本を夢見たゴッホが、浮世絵から影響を受けて絵画の描き方が変わっていく様子が、ゴッホの作品展示だけでなく、影響した浮世絵の展示もされているので、対比しながら観賞できた。
 構図、色使い、描く視線などなど、浮世絵をはじめとした日本美術が西洋美術に及ぼした影響がよく分かった。
 会場内展示品は撮影禁止なので、パンフレット掲載の作品を転写して、ちょっとだけ、その一部を紹介する。
          
          
          
          
 更に、展示の後半には、ゴッホが亡くなったあと、遺された作品を保管していた医師・ガシェの一族の家に、多くの日本人画家や知識人が訪れた芳名録や記録写真やハガキなどが展示されていた。
 生前のゴッホは日本の影響を受け、死後は逆に、日本の西洋画家たちがゴッホの影響を受けたことが分かる。
 そのコーナーを観ながら思ったのだが、いま盛んにグローバルとか言われているが、この時代の画家や知識人は、ゴッホの聖地(ゴッホが亡くなった地)まで、わざわざ行って、複製でない作品に触れたり、ゴッホ兄弟のお墓を訪れたり、関係者と親交を深めたりと、それはそれは、現在の日本人よりも行動的なグローバル精神が旺盛だったのだなと考えてしまった。


 観賞して帰途につく頃、夕闇に包まれた上野公園の桜並木には、イルミネーションが点っていた。